京小麦の収穫祭
エリアを大阪・兵庫・滋賀・奈良の113店舗に拡大
加工・販売・消費のフードチェーンを活性化させる

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井澤社長

京小麦
 

雨の日も風の日も

バタール

小島氏
 

ブーランジェオクダ本店

山食パン

奥田氏

 井澤製粉M(井澤雅之社長)は1月18日より、JA京都中央会・JA全農京都協賛、京都府後援の下、昨年に収穫された京小麦を製粉し、その小麦粉で作ったパン・麺類・菓子等を消費者に販売提供することによって小麦生産者・地場製粉会社・製パン製麺業者・飲食店とともに「京小麦の収穫」を祝い、消費者に対する京小麦の認知度を高め、京小麦の生産拡大を目指すことを目的に「京小麦の収穫祭」を開催している。

 参加店舗は、京都府に隣接する大阪府・兵庫県・滋賀県・奈良県にエリアを拡大し113店舗。業種は、パン・洋菓子・ラーメン・うどん・イタリアンレストラン・お好み焼・鉄板焼など。店舗での販売は、各店舗で京小麦100%のメニューを開発してもらいイベント期間中に販売[他府県産の小麦(全粒粉も含む)の使用(ブレンド)は禁止/副材料(澱粉・卵・ふすま・グルテン・色粉等)の使用は可]。参加店舗を10グループに分け、1週間毎の販売としリレー形式で計10週間(3月28日まで)のイベント期間としている。
 告知方法は、ポスター・チラシ・のぼり・各メディア、公式インスタグラム・ツイッターを活用(各店舗の紹介や提供メニューを投稿予定)。コロナ対策として、各店舗に消毒液の設置や座席間隔の確保等を依頼。
 同社は、京小麦の収穫祭の活動を通して、京都の食文化に「京小麦」を様々なカタチで繋ぎ、京都の小麦生産の現場から加工・販売・消費に至るフードチェーンをさらに活性化させたいとしている。
 井澤社長は、今年の「京小麦の収穫祭」について次のように話した。
 「今まで参加店を京都府下に絞っていたが、他府県でも京都産小麦が味わえることを知ってもらうために、大阪府・兵庫県・滋賀県・奈良県にエリアを拡大したことがコンセプトであり、過去2回の収穫祭と異なる点。京都産小麦は、今のところ生産量が小さく、収量がさらに増えることによってブランド力の強い『京』を冠した商品構成での販売が可能になると考える。
 昨年までの収穫祭で感じたことは、先ず、生産者・製粉メーカー・飲食店(ベーカリーやラーメン店)が一堂に会するキックオフミーティングができた。そのことにより、飲食店は生産農家に興味を示して、畑まで行って成長過程を確認するなど積極的なコミュニケーションが図られるようになった。また、生産農家は出荷した小麦がどのように流通し加工され、最終製品として消費者の口に入っているかが分からなかった。それだけではなく、自分たちが作った小麦の味を知る術もなく、どこに行けば食べられるのかも知らされることがなかった。それではモチベーションも上がらず、明確な生産意図を持っていなかったが、収穫祭参加店を巡ることにより生産者として評価できるようになった。加えて、消費者の反応を直に感じて、改良点に繋げる意欲が高まった。
 総合すると、接点がなかった生産者と販売店(飲食店)との会話が生まれ、相互が前向きに努力する太いパイプができたと思っており、このスパイラルがさらに大きくなると素晴らしい循環になると考える。
 課題は、通年で京小麦を使用した二次加工品を提供できるだけの収量を安定的に生産してもらうこと」。
 また、営業部の岩崎克紀氏は「目標は、京小麦の生産拡大であり、収穫祭を通じて京小麦がフードチェーンを構築し、生産者を含むフードチェーン全体が活性化すること」と述べた。

《京小麦シリーズの特徴》
 強力粉としての強さとモチモチとした食感が、素材による差別化・セールスポイント。
 銘柄別の灰分と粗たん白(%)は次のとおり(2020年産小麦の数値)。
▽京小麦プレミアム=0.35/10.0
▽京小麦=0.40/10.2
▽京小麦ロング=0.45/10.3
▽Mellow京小麦=0.70/11.4
▽京小麦石臼挽粉=1.30/12.0

 「京小麦の収穫祭」に参加しているベーカリーに取り組み内容や商品、来店客の反応などを聞いた。

◆雨の日も風の日も
オーナーシェフ小島秀文氏
 パンフレットを参考にして、京小麦製品の取扱店をスタンブラリーのように回る人がいる。その人たちがInstagramなどで拡散してくれる。当店は、3月最終週の参加だが、バタールとパン オ ルヴァンに京小麦使用を予定している。バタールは、北海道産小麦で作っていたが、収穫祭に先駆けて京小麦100%に切り替えた。パン オ ルヴァンは、既に京小麦比率90%で販売している。京小麦を使用したパンは、クセがなく、どんな食事にでも合うと思う。一方で、若干淡白な味だが、持てる技術を駆使して顧客に好まれる製品にしたい。井沢製粉から灰分の高い京小麦粉が提供されるというので、さらに美味しいパンに仕上げたい。良く言えば、色白で上品という印象。ベーカリー仲間で収穫祭の具現化を話し合ったこともあり、北海道や首都圏で開催されている収穫祭のように認知度を上げ、京都の麦農家を盛り上げて魅力度を向上させ、ベーカリーも潤うようにしたい。
 今後は、クロワッサンを京小麦に切り替え、徐々に京小麦を使用したアイテムを増やそうと思っている。
〒603-8232京都市北区紫野東野町6
電話075-432-7352
▽営業時間=8〜18時
▽定休日=木・日曜日
▽アクセス=京都市バス「建勲神社前」下車西へ徒歩2〜3分

◆ブーランジェオクダ本店
代表取締役奥田晋也氏
 京小麦を使用している商品は「山食パン」と「チーズパン」。2月22日からの参加だが、リニューアルを機に先行して店頭に並べている。マーガリンやショートニングには、トランス脂肪酸が多く含まれていることから敬遠していたが、トランス脂肪酸フリーのショートニングがあることを知り、バターに替えて京小麦商品に使用すると、より小麦の風味が引き立つパンに仕上がった。京小麦は、年度によって品質が異なるため、どのように取り扱えかがベーカリーの課題だと思う。来店客には「京都産小麦使用」が目に付くようで手が伸びる。京小麦だから特に美味しいという反応はないが、裏返せば北海道産小麦との差がなく遜色がないということだと思っている。京都にある店舗が京都の小麦を使用してパンを作っていることを顧客に認識してもらい、定着させることが重要だと考える。毎日の朝食に京都産小麦の食パンを食べるという習慣を根付かせたい。  奥田社長は、同社(ルアルティザンM)の創業者で、現在本店のほか、西陣店・京都高島屋店・高島屋洛西店・無印京都山科店の計5店舗を運営している。
〒60-8357京都市北区平野宮西町67
電話075-464-5762
HP:http://boulange-okuda.jp/
▽営業時間8〜18時
▽定休日=木・日曜日
▽アクセス=京福電鉄北野線北野白梅町駅より徒歩約10分

◆飯°処詣(ぱんどころもうで)
代表片海琢磨氏
 収穫祭の参加は3月15日からのため、参加を予定している「ふわふわ」は、京小麦に切り替える最終調整を行っている。しかし、常備のクロワッサンは既に京小麦を使用している。他の参加店は、食パンなどの食事系が多いようなので、当店は菓子パン系にしようと思っている。京小麦の特徴はモチモチ感が出ること。灰分・たん白の成分数値以上のモチモチ感が得られる。見た目では分かりにくいが、食感で差が付く。クロワッサンを購入した客から、サクサク感が強いという評価を得ている。京小麦を含む国産小麦は、収穫年度によって品質に差異が生じるものとして製造しており、それが特徴だと思っている。
 今後は、食パンが売れ筋であることから、食パン全商品を京小麦使用に変更し、100%使用も増やしたいと思っている。
 片海氏は、2002年に同店を創業し20年目を迎えた。駅前商店街の一角を担い、乗降客から愛され続けている。
〒615-8072京都市西京区桂木ノ下町1-101ALビル1階
電話075-393-6069
HP:http://pandokoro-mode.com/
▽営業時間=7時30分〜19時30分
▽定休日=日曜日
▽アクセス=阪急桂駅東口より約300m

【問合先】
井澤製粉M
〒601-8207京都市南区久世中久町736
TEL075-921-8325、FAX075-934-4703

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飯°処詣

クロワッサン

片海氏