Ramini Mozzarella Ranch(ラミニ・モッツァレラ・ランチ)〈カリフォルニア州〉
希少価値の水牛モッツァレラチーズを生産・販売
毎週土曜日には牧場ツアーを実施

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オードリー・ヒッチコックさん

外観
 

牧場の様子

ツアー参加者

水牛モッツァレラチーズ

 「ラミニ・モッツァレラ・ランチ」は、サンフランシスコから車で北に1時間のぺタルマ市にある25エーカー(東京ドーム約2.2個分)の牧場で、オーナーのオードリー・ヒッチコックさんが水牛を育て、モッツァレラチーズを作っている。辺りはどこまでも続く酪農地帯。アメリカでバッファローチーズを作っている場所は数少なく、ほぼ競争相手がいない状態だ。

 2019年5月号に掲載したチーズフェスティバルで、その際に受講した講義の中に、水牛のモッツァレラチーズが美味しいという話が出てきた。講義後、チーズ生産者が出店している会場を探し回ったが、見つからず、おそらく幻のチーズなのだろうと思っていた。
 ところが最近、カリフォルニア州のチーズマップで「ラミニ・モッツァレラ・ランチ」という水牛のモッツァレラチーズを作っている牧場を発見したので紹介する。
《水牛のモッツァレラチーズ》
 水牛のモッツァレラチーズ(モッツァレラ・ディ・ブッファラ)は、イタリアで高級品として食され、アメリカでも人気が出ている。
水牛の乳の蛋白質と脂肪は牛乳の2倍で、濃厚で風味も強いチーズができる。コレステロールと乳糖は半分なので、健康にも良い。水牛は、ミルクというよりもクリームを出しているようなものなので、泌乳量の少なさが難点。
 「水牛が気持ちよく過ごせるように、赤ちゃんと一緒に育てているので、その分、ミルクのロスも多いです。1Pの水牛の乳から、250gのチーズができます」と、オードリーさん。
 2009年に5頭から始め、今では75頭を放牧飼育している。赤ちゃんの時から「ホイットニー」などロックスターの名で呼ばれ、愛情を持って育てられた水牛は、犬のように懐くようになった。搾乳時も、隣に子水牛が入れるようにして、クッキーを与え、ブラッシングし、ストレスフリーな環境を作っている。
 泌乳量は、出産など自然のサイクルに合わせて変化するので、それに従ってチーズの生産量も変化する。少ない時には食料品店数軒とツアー客に販売し、多い時には7カ所のファーマーズマーケットにも出店している。コロナ禍で高級イタリアレストランやピザ屋など全てのレストランの卸先がなくなったが、最近4店だけ戻ってきたそうだ。
《牧場ツアー》
 牧場ツアーは、毎週土曜日に実施され、参加費45ドル(約5,023円)。取材日には48人が参加していて驚いた。毎週、ツアー参加者は55人ほどだという。
 「ミルクのロスが多いので、牧場を存続させるための大きな収入源です」とオードリーさん。受付後、放牧された水牛が見える場所に置かれたベンチと、布をかけたストローベール(麦を圧縮梱包したブロック)などのテーブルに、グループ毎に案内された。
 動物好きなオードリーさんのツアー目的は、参加者に水牛のことや酪農方法を知ってもらうことにもある。45分の説明の後、水牛のプラッシングタイム。オードリーさんがブラッシングの説明とデモをしていると、水牛が気持ちよすぎて横になって甘えていた。人見知りしないというのは本当で、参加者がブラシを持って、近づいても、気持ちよさそうにブラッシングされていた。
 その後、試食タイム。初めて食べた水牛のモッツァレラチーズは、濃厚で弾力があって、クリーミーな食感。ミニトマト、バジル、塩、オリーブ油とともに食べると、シンプルなだけに、素材の美味しさが際立っていた。
 「土曜日のツアーで販売するチーズは、木曜日か金曜日に作っているので、これ以上新鮮なものはありません。3〜5日で食べるのが一番美味しいです。それ以降も食べられますが、柔らかくなってしまいます」と、オードリーさん。
 ツアー参加者はほぼ全員、17・50ドル(約1,954円)のチーズ(約250g)を購入。複数買っていた人も多く見られた。
 新鮮な水牛のモッツァレラチーズは希少価値があり美味しいので、牛のモッツァレラチーズより高額でも、牧場ツアーと併せて、これからも繁盛していくことだろう。
写真・文/田原知代子
(一部の写真は「Ramini Mozzarella Ranch」より提供)

【Ramini Mozzarella Ranch】
▽住所=175 Gericke Rd. Tomales, CA 94952
▽電話=(415)690-6633

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搾乳の様子

湯に混ぜたチーズカードを引き伸ばす

ブラッシングされる子水牛