Fleur Sauvage Chocolates(フルー・ソーバージュ・チョコレート)
〈カリフォルニア州〉
ワインとのペアリングが有名
規模拡大より目的地にされること目指す

BACK

 

 

ロバート・ニエトさん(右)とサラさん

店舗外観

店内の様子
 

オレンジハニーなど

12個詰め合わせの箱

 カリフォルニア州ウィンザー市にある「フルー・ソーバージュ・チョコレート」は、2021年12月に開店したチョコレート店&カフェ。店名の「フル―・ソーバージュ」はフランス語で「野生の花」の意味で、オーナーのロバート・ニエトさんのあだ名「シェフ・バターカップ」の「バターカップ(キンポウゲ)」が野生の花ということから、奥さんのタラ・ニエトさんが名付けた。

 ロバートさんは、トーマス・ケラー氏の名店「ブーションビストロ」や「ブーションベーカリー」「ジャクソンファミリー・ワインズ」のワイナリーなどに勤め、18年以上ペイストリーシェフとして実績を積み上げてきた。
 「6年ほど前から、チョコレート作りを始め、様々なコンクールに参戦するようになりました。2018年の『ル・モンディアル・デ・ザール・シュクレ』では、アメリカチームでチョコレート彫刻を担当しました。チョコレートという創作材料が気に入ったので、広範なクラスを受講し、風味やテクスチャーなどについて学び、チョコレート作りに力を入れ、その結果、自分のビジネスを始めることになりました」とロバートさん。  「フルー・ソーバージュ」のチョコレートは宝石のように美しく、浸出したハーブやスパイスを使った控えめな甘さが、高級感を出している。店頭には常に彩りの良いチョコレートが12種類並ぶ。人気商品は、テレビ・フードネットワークの「ホリデーウォー」という料理番組で優勝した時に作った「ローズマリー・ダークチョコ」。ほのかなローズマリーの香りと、後に残る苦みが唯一無二の味。
 スパイスを多用した「メキシカンチョコ」や、優しい蜂蜜味がする「オレンジハニー」なども人気。手土産や誕生日ギフト、バレンタインデー、母の日、復活祭など特別な日の贈答品としても重宝されている。
 店を構えるまでの3年間、ファーマーズマーケットでチョコレートを販売し、その間、研究を重ね、顧客を獲得し、他の出店者との関係を築いてきた。ファーマーズマーケットでは16ドル(約2,000円)の6個入り詰め合わせがよく売れていたが、店舗では12個陳列できるので、28.50ドル(約3,600円)の12個入り詰め合わせが一番売れるようになった。購入した箱を次回来店時に持参すると、2ドル割引するサービスもある。  「チョコレート箱のリサイクルを行って本当に良かったと思っています。無駄なパッケージがなくなるので、環境に優しく、お客様も、美しい箱を捨てずに済み、長い間、再利用できて喜んでくださっています」と、タラさん。
 自宅で箱を目にすると、また来店しようという気持ちになりそうだ。  「ファーマーズマーケットではチョコレートだけを販売していたので、お得意様が来店されると、デザートがあるので驚かれます。私はペイストリーシェフだったので、その部分も紹介したいと考えました」とロバートさん。
 デザートには、カカオの実の形のチョコムース・チョコカスタード・ラズベリージャム入りチョコアーモンドスポンジケーキや、チョコカスタードにエスプレッソムースが載ったエスプレッソタルト、季節の果物を使ったバターミルクムースなどがある。取材時の季節のデザートは、アメリカでは珍しい金柑ジャム入りで、とても繊細な味だった。
 ロバートさんにとって、店を開店後に気付いた大変なことは、商品を作りながら、コーヒーやエスプレッソを淹れ、接客、掃除などもしなければいけない点だという。タラさんは、フルタイムで消防署の仕事をしながら、休日に店頭に立ち、会計やメールでの対応などを手伝い、二人三脚で頑張っている。
 ワイナリーでペイストリーシェフをしていた経験を活かし、昨年は14軒のワイナリーや蒸留所と、ワインやウィスキー、ジンなどとチョコレートのペアリングのコラボ企画をした。同じワイナリーの同種類ワインでも、年によって微妙に味が異なるので、ぴったりの組み合わせを考えるのが楽しいとのこと。ワイナリーでチョコのペアリング体験した人が、直後に来店されることもある。
 今後、ワインの産地ならではのピクニックプログラムを始める予定だ。
 「近くのワイナリーでワインを買っていただき、私たちのデザートやチョコと、ファーマーズマーケットで販売しているパテなど、グルメな商品をセットにして販売し、ピクニック用品一式を貸し出すサービスです。きっと喜んでいただけると思います」とタラさん。
 店から徒歩3分のところに、ピクニックができる芝生のタウングリーン(公園)があるので、コロナが終息し、以前のように野外コンサートや映画上映が再開されると評判を呼びそうだ。
 「今のまま、自分達で経営できる職人気質の小さな店でありたいと思います。大量生産しないかという申し出は沢山来ていますが、それは私たちが求めていることではありません。ソノマ郡が大好きなので、この地を訪れ『フルー・ソバージュ』に来店して、体験してください、と言いたいです」とタラさん。
 ロバートさんも「規模を大きくするよりも、コミュニティの一員になり、知名度を上げ、サンフランシスコやベイエリアからわざわざ来ていただける目的地になれればと思います」と抱負を語った。
(文・写真:田原知代子)

【Fleur Sauvage Chocolates】
▽住所=370 Windsor River Rd.Windsor, CA 95492
▽メール=fleursauvage
chocolates@gmail.com

新聞最新号へBACK

チョコレートの彫刻

様々なオリジナル板チョコ