冬の全国理事長会及び新年会
密な情報交換を行い
力を合わせて厳しい現実を乗り切る

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桑野会長

竹中氏

伊原氏

 全日本パン協同組合連合会(桑野龍一会長)は1月26日、東京都新宿区の京王プラザホテルで冬の全国理事長会及び新年会を開催した。  開催に先立ち、副会長の小野曜氏(山梨県パン協同組合理事長)が開会の辞を述べた後、桑野会長が次のように挨拶した。

 今年は、1月1日から痛ましい出来事が続き、新年の挨拶をし難い状況にある。「令和6年能登半島地震」では、甚大な被害が出ており、当連合会組合員数社も大きな被害を被っている。被害に遭われた皆さんには、心からお見舞い申し上げ、亡くなられた方々の冥福を祈る。全パン連として、石川県パン協同組合(別所利治理事長)に対し、被害状況を確認して義援金を募ったところ、全国から多額の義援金が寄せられた。冬の全国理事長会の席上で手渡そうと思っていたが、被災地の状況を鑑みると断念せざるを得なかった。
 さて、今回の冬の全国理事長会終了後には、5年ぶりの新年会を予定している。私自身、会長として新年会を開催するのは初めてで、事務局も初めて。不手際等があると思うが、何卒容赦願いたい。
 会長就任以来、全国のブロック会議に出席し、色々な意見を聞いた。それらは是非、全国の会員に発信し、相互の情報交換を行い、役に立つ機会にしなければならないと思う。今日は、意見交換の時間を設けているため、活発な意見を出していただきたい。
 コロナ禍の3年間は、誰もが大変な時間や環境を過ごした。コロナ前と後では、時代が変わったように思う。その一つが原材料高。人件費も異常に高くなった。その他にも多くの経営難を引き起こす出来事が噴出している。いずれもパン業界単独で解決できる可能性は低いが、連合会としてどのように力を合わせて乗り切るかが課題だと思う。その中で、価格転嫁を余儀なくされるが、顧客に対してどのように理解してもらうかが問題で、価格改訂しても売れる商品を提供しなければいけない。
 学校給食では、来年度の加工賃をどのようにして、適正利益が出せる金額を実現できるかを考えなければいけない。中小企業の低賃金は、生産性が悪いからといわれるが、働いていない訳ではない。身骨を裂いて働いているのは中小企業だと思っている。販売価格が上がれば、必ず生産性は向上する。
 難しい問題が山積しているが、皆で力を合わせて解決の糸口を見つけたい。
 続いて、令和5年秋の叙勲において旭日双光章を受章した岐阜県学校給食パン米飯協同組合理事長の竹中誠一氏に、金一封が贈呈された。
 竹中氏は「食料品加工業振興功労(ゆめちからをはじめとする内麦の推進)が受章の理由。皆さんの協力によって現在があると思っている。心から感謝申し上げる」と謝辞を述べた。
 その後、冬の全国理事長会が始まった。
 理事長会の討議終了後、副会長の伊原靖友氏(リテイルベーカリー協同組合理事長)が閉会の辞を述べて終了した。

 新年会では、主催者を代表して桑野会長が挨拶した後、来賓を代表して、パン産業振興議員連盟会長で参議院議員の中曽根弘文氏、文部科学省初等中等教育局長の矢野和彦氏、農林水産省大臣官房新事業・食品製造部課長補佐の佐々木隆行氏、一般社団法人日本パン工業会会長の飯島延浩氏が祝辞を述べた後、製粉協会会長の宮原朋宏氏が乾杯の発声をして開宴した。

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理事長会の様子