新年祝賀会 兵庫県パン4組合
組合員のために精一杯取り組み
組合の存在意義を高める

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草野理事長

井筒理事長

原田副理事長
 

佐藤氏

入賞者とプレゼンター

グエン氏
 

デニッシュ・エキゾチック

森下氏

紅茶とりんごのクロワッサンブリュレ

 兵庫県パン協同組合(草野洋一理事長)、兵庫県パン商工組合(井筒英治理事長)、兵庫県学校給食パン・米飯協同組合(増田龍市理事長)、兵庫県パン青樹会(湯井信一会長)は1月12日、神戸市中央区の神戸ポートピアホテルで「令和6年度新年祝賀会」を開催した。

 開催に先立ち、前年の会員物故者の冥福を祈り黙祷を捧げた後、草野理事長が「令和6年能登半島地震」における被災者と避難生活を余儀なくされている方々に対する見舞いとともに一日も早い復興を願うことばを表し、阪神淡路大震災を経験した同県4組合の先々での支援と協力を約束したあと、次のように新年の挨拶をした。
 新年祝賀会は、4年ぶりに開催することができた。昨年5月にコロナが第5類に移行し、街に人が出るようになり、テレビでは毎日のように大勢の外国人観光客が日本に訪れ活況を呈しているように報じている。一方、パン業界に目を向けると手放して喜んではいられない。円安、原材料高騰、エネルギーコストの上昇、人件費アップのみならず人材不足が重なって到来し、非常に厳しい状況にある。
 兵庫県パン4組合存在の意義は、組合員のためにあると思っている。理想は、業界発展に貢献することだが、想い描くように事が運ばないことから、足元を注視して組合員のために少しでも役立て、組合に入っていて良かったと思われるようにしたい。5月以降、今年度に計画していた行事は全て行うことができた。来年度も様々な行事を企画する。人員は限られているが、皆さんの力を借りて、兵庫県パン4組合員のために精一杯取り組みたい。
 その後、第17回パングランプリ兵庫パンコンテストの表彰式が執り行われ、プレゼンターの兵庫県副知事の片山安孝氏、神戸市経済観光局長の大畑公平氏、兵庫県中小企業団体中央会専務理事の瀬川里志氏、草野理事長が紹介された後、受賞者にそれぞれのプレゼンターより表彰状と副賞が手渡された。
 グランプリに輝いた2人は、次のように作品の紹介と込めた想いを語った。
◇デニッシュ部門/グエン・ティ・フェン氏
 ベトナムから来たフリアンドの実習生。日本で約3年半、パンの勉強をしている。このような賞をいただき、非常に嬉しく思っている。技能実習を軸に日本とベトナムの繋がりが強固になれば嬉しい。今日は、ありがとうございました。
◇ドーナツ部門/森下千颯氏
 このような賞をいただき感謝申し上げる。商品は、焼成したクロワッサンをドーナツ状にして揚げた。クロワッサン自体が脂濃いので、さっぱりさせるためにりんごのコンポートとマスカルポーネのクリームを合わせてはさんでドーナツを作った。脂濃さが気になったので、折り込み回数を増やし、揚げ油をシュートニングに代えると、軽くて美味しいドーナツに仕上がった。
 続いて、兵庫パン青樹会会長で同コンテスト準備副委員長の湯井氏が次のようにコンテストの総評を述べた。
 今回の特長は、時流や関心度の高い材料、新しい製法を取り込んでコンテストに臨んでいたこと。また、女性技術者の参加が増えてきたことから、女性特有の感性が発揮されていた。加えて、初の外国人技能実習生が参加し、見事にグランプリを受賞した。過去のパングランプリ兵庫パンコンテスト上位入賞者は、世界と日本で活躍を続けている。
今後もさらに頑張って、20回、30回と続けられるようなコンテストにしたい。
 入賞者は次のとおり(敬称略)。

◇デニッシュ部門
▽グランプリ・兵庫県知事賞=グエン・ティ・フェン(フリアンド)「デニッシュ・エキゾチック」
▽準グランプリ・兵庫県中小企業団体中央会会長賞=繁田頼生(イスズベーカリー)「濃厚ショコラフィグ」、西尾拓真(パンプキン)「糖花の夜」
▽同・兵庫県パン協同組合理事長賞=原田稔久(原田パン)「蜜いもデニッシュ」
◇ドーナツ部門
▽グランプリ・神戸市長賞=森下千颯(イスズベーカリー)「紅茶とりんごのクロワッサンブリュレ」
▽準グランプリ・兵庫県中小企業団体中央会会長賞=繁田頼生(イスズベーカリー)「たっぷりお芋ドーナツ」
▽同・兵庫県パン協同組合理事長賞=鹿野哲平(カスカード)「シュクメルリドーナツ」
 懇親会に移り、開宴に先立ち井筒理事長が次のように挨拶した。
 パングランプリ兵庫は、日本で最初に兵庫県が始めたパンコンテストで、今後も継続し業界の発展に繋げたい。昨年の10大ニューストップは、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが2類から5類に移行されたことによって、パン業界をはじめ全ての業界が右肩上がりになったこと。しかし、物価も急激に上がり、今年も約20%上昇するという予測が立てられている。ベーカリーでも値上げが実施されてはいるが、まだまだ値上げできる余地が残っていると思っている。関連業界とともに如何に良い商品を作り、如何に値上げするかに取り組み、パン関連業界全体が豊かになりたいと考えている。
 続いて、来賓を代表して片山兵庫県副知事、大畑神戸市経済観光局長が祝辞を述べた後、日清製粉M大阪営業部部長の佐藤隆之氏が「皆さんと一緒になってパン業界を盛り上げたい」と挨拶して乾杯の発声を行い開宴。
 宴中には、アトラクション(福引)が行われるなど、終始和やかな宴となり、兵庫県学校給食パン・米飯協同組合副理事長の原田富男氏が閉会の挨拶をして散会となった。

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