製パン通信教育講座修了式・新年互礼会
製パンは発酵を極める
発酵学の先端を行く高度な技術

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 全大阪パン協同組合(多田龍弘理事長)と大阪学校給食パン・米飯協同組合(久保克行理事長)は1月19日、大阪市中央区のホテルニューオータニ大阪で製パン通信教育講座(多田龍弘委員長)初級・中級の修了式及び新年互礼会を合同で開催した。

 修了式に先立ち、多田委員長が次のように挨拶した。
 元旦から「令和6年能登半島地震」が発生し、翌日には羽田空港で航空機事故が起き、年明け早々から痛ましい出来事が連続し、今年1年の警鐘であるように思われる。地震や事故で亡くなられた方々の冥福を祈るとともに被災された人々へ心からお見舞い申し上げる。一日も早い復旧と復興を祈っている。能登半島地震は、南海トラフ大地震の前兆ともいわれているため、日常生活において災害に対して減災の心構えと助け合いの精神を持って行動してほしい。
 パン業界は、昨年5月のコロナ感染症第5類への移行後、落ち着きを取り戻したかのように思えるが、価格改定や原材料の高騰、エネルギーコストの上昇などで経営環境は厳しく、弊社でも度重なるパン商品の値上げを実施せざるを得ず、顧客に理解を求める配慮を継続している。
 製パン通信教育講座は、教材の改訂時期を迎え、より実践的な内容に修正したいと考えている。コロナ禍によって若干受講者数が減少してるのは事実で、パン関連業界に向けて同講座の役割を積極的にアピールしたい。
 製パン技術は、発酵という難しい分野を克服しなければならず、単に小麦粉を捏ねるパン作りではなく、発酵学の先端を行く高度な技術だと認識していただきたい。
 全大阪パン協同組合は今年、創立70周年を迎え祝賀会の開催を総会時に予定している。
 続いて、来賓の紹介が行われた後、初級を代表して村井彩乃氏(個人)、中級を代表して柴田聡氏(フジパンストアM)に多田委員長より修了証書が授与された。次に成績優秀者が発表され、最優秀賞(2200点)4人、優秀賞(2190点)4人、努力賞(2180点)4人に表彰状が贈られた。また、組合創立70周年を記念して式典に出席した修了生全員に多田委員長よりプレゼントが手渡された。2023年度の修了生は、初級81人、中級29人、合計110人。
 その後、修了生が次のように受講の感想を述べた。
▽田中裕梨氏(大阪食糧卸M)=通信販売の接客に当たり、小麦粉や製パン知識を身に付けようと思い受講した。同講座で培った知識を業務で活用したい。
▽鶴田暁子氏(山崎製パンM神戸工場)=パン製造中にパン生地に何が起こっているのかを学んだ。習得した知識を基に実作業にリンクさせ、より美味しいパンを作りたい。
▽小柿はるか氏(Panya)=小麦粉の色々な知識を得ることができた。さらに勉強して将来は自分の店が持てるように頑張りたい。
▽友谷真智子氏(大阪食糧卸M)=製パンに関する知識が乏しかったが、多くのことを学び自信が付いた。また、製パン理論だけでなく、パン文化も学べて楽しく勉強できた。
▽柴田氏=入社20年になり、日常の仕事は問題なくできているものの、原材料の知識や小麦粉の特性などが深く理解できていなかったため、会社の制度を利用して同講座にチャレンジした。難しい部分も多いので、今後も時間を作って勉強をし続けたい。
▽村井氏=スーパーマーケットのベーカリー部門で働いている。育児休養中にパンの知識を深めようと思い受講した。今後は仕事に活かしたい。

【成績優秀者(敬称略/順不同)】
《最優秀賞》
◇初級
大槻武志(Mさとう)、小川暁冴子(大阪食糧卸M)、加藤清美(M信州シキシマ)
◇中級
粂原優(個人)
《優秀賞》
◇初級
田中、鶴田、西葉留美(大阪食糧卸M)、原田美咲季(三和産業M)
《努力賞》
◇初級
一木友博(M唐人ベーカリー)、小柿、友谷、原優夏(三和産業M)

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多田委員長

表彰の様子

修了者