日清製粉 秋季経営セミナー
講師は経営共創基盤望月愛子氏
東京大学大橋弘氏

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 日清製粉グループの日清製粉M(山田貴夫社長)は11月27日、経営幹部・管理職を対象に、東京都千代田区の大手町サンケイプラザ会場とインターネットライブ配信のハイブリッドで「日清製粉秋季経営セミナー」を開催。会場215人、オンライン125人の合計340人が参加した。

 35回目となる今回は、M経営共創基盤(IGPI)共同経営者取締役CFOの望月愛子氏が「DXの進展とこれからの企業成長について」と題して、DXの基本から、改革を進めるための具体的なポイントや人・組織の動かし方などを解説し、東京大学副学長の大橋弘氏が「食品産業の課題と展望」と題して環境変化を踏まえた食品産業の具体的な方向性について、それぞれ講演した。
 開催に先立ち、山田社長は次のように挨拶した。
 国際情勢は、ウクライナに起因した歴史的な食料インフレやコストインフレの長期化、中東における新たな紛争などの影響を受け、先行きの不透明感が一段と高まっている。金融引き締めによる米欧経済の減速、中央経済の回復遅れなど、世界経済の行方も予断を許さない状況にある。一方国内では、5月の新型コロナウイルス感染症5類移行とともに経済活動が少しずつ回復し、企業の景況感も改善しつつあると思う。非製造業は、インバウンド需要の回復もあり、飲食・旅行関連業界をはじめ景気回復が一段と加速しているが、製造業は、未だ一進一退の状況だと認識している。食品関連業界は、原料高、原油高、円安等による収益確保が厳しさを増している。
 日清製粉では、2022年度から2026年度まで5年間の経営計画として「日清製粉グループ中期経営計画2026」を策定した。この計画に基づき、創業以来の価値観である『信を万事の本と為す』『時代への適合』の二つの社是の下、製粉業界のリーディングカンパニーとして、今後も安定供給の責務を果たしたい。社会にとって真に必要な企業で在り続けるために、食品安全、内部統制システムへの取り組み、コンプライアンスの徹底、ESG、SDGs、社会貢献、人権尊重など、企業の社会的責任を果たしつつ、顧客とともに全てのステイクホルダーから積極的に支持されるべく、今後も努力を重ねたい。
 今日のセミナーが、皆さんの企業経営に少しでも役立てれば幸いに思う。

【講師プロフィール】
M経営共創基盤(IGPI)共同経営者取締役CFO
望月愛子氏
早稲田大学政治経済学部卒、公認会計士。中央青山監査法人で監査業務に従事。IGPI参画後は、大手企業の事業ポートフォリオ見直し及び新規事業創出に関わる戦略立案〜実行サポート、デューデリジェンス、M&Aアドバイザリー等に携わる。近年はCVCの立ち上げ及び運用に関するアドバイスやオープンイノベーションに関わる組織設計も数多く手掛けるとともに、IT領域から科学技術系テクノロジー領域まで、幅広い領域のベンチャーを立ち上げ時期からEXITまで数多く支援。Mユーグレナ社外取締役監査等委員、南海電気鉄道M外取締役、MSmartHR社外取締役監査等委員。
 新規事業創出に関する戦略立案から実行サポート、M&Aアドバイザリーを行うなど幾多の企業の事業成長に携わっている。
東京大学副学長
大橋弘氏
東京大学大学院経済学研究科教授、公共政策大学院前院長。経済学者。専門は産業組織論、競争政策。東京大学経済学部卒業、米国ノースウェスタン大学博士号取得(経済学)。カナダ・ブリティッシュコロンビア大学商学部助教授を経て現職。主な著書に「競争政策の経済学」日本経済新聞出版2021年(日経・図書文化賞受賞)。円城寺次郎記念賞(日本経済新聞社)、石川賞(日本経済学会)等受賞。農林水産省食料・農業・農村政策審議会会長、同省食糧部会長。経済財政一体改革推進会議委員、行政改革推進会議委員、民間資金等活用事業推進委員会委員、資源エネルギー庁カーボンマネジメント小委員会委員長、地球環境小委員会(経済産業省/農林水産省)委員長等。
 企業行動や消費者行動を産業組織論から分析し、共創政策や産業政策の評価・検証を中心に研究している。

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