中部・近畿地区包装食パン表示検査会
会員の自主的な表示の改善に役立てる

BACK

 日本パン公正取引協議会(飯島延浩会長)は2023年10月27日、名古屋市中区の名古屋ガーデンパレスで「令和5年度中部・近畿地区包装食パン表示検査会」を開催した。

 同検査会は、中部・近畿地区で販売されている包装食パンについて、包装食パンの表示に関する公正競争規約に基づき表示の実態を検査し、包装食パンの表示の適正化を図るとともに製パン業の公正な競争を確保するための資料とするもの。
検査対象商品は、中部・近畿地区で販売されている包装食パン20商品目。検査員は、一般消費者10人。検査方法は、検査員が検査項目に従い検査対象商品の表示実態を検査し、その状況や表示に対する検査員の主観による評価を記載。検査後、意見交換会で検査員から表示に対する意見を聴取し、規約の運用に役立てる。
 検査結果の取扱いと意見交換会における主要な意見等は次のとおり。
《検査結果の取扱い》
 表示検査会の結果をもとに、同協議会専門部会で、今回の検査会に出された20商品の取扱いを検討した結果、全20商品について直ちに不当表示または公正取引規約違反に該当する商品はなかった。但し、一部に必要表示項目の不備等不適切と考えられる表示が認められた商品については、包装食パンの表場適正化の観点から、表示の改善を依頼するなど必要な措置をとった。
 また、今回検査員から出された意見は、会員の自主的な表示の改善に役立つよう会員に対して情報として提供した。このほか、意見を踏まえ、今後の公正競争規約を見直す際の参考資料として活用するほほか、規約の周知等の広報活動の参考にする。
《意見交換会における主要な意見等》
▽消費期限について、一括表示の中に表示してある商品もあったが、消費期限は「別枠に書いてあります」と表示されている商品が多々あった。個人的には、やはり一括表示の枠内にきちんと表示されている方が分かりやすいと思う。
▽食パンのパッケージ袋には、様々なデザインがありとても良いと思うが、中には透明なビニール袋に文字が印字されており、その文字の色が薄いため、年配者には文字が見えにくい感じがする。文字については、年配者粉にも見やすい濃い目の色や大きさにしてもらうなど、ちょっとした心遣いをしていただくと助かる。
▽添加物とアレルギーの表示について、展示してある商品によって差があるように感じた。商品の中には、多くのスペースを割いてアレルギーのことを表示しているものもあったので、同じように表示してもらえるとありがたい。
▽アレルギーや添加物の表示について、どのような表示をするかは会社の特性かも知れないが、消費者とすれば各社とも同じように表現していただければ、商品選択の際に安心でき、比較もしやすいと思う。
▽原材料名欄の「/(スラッシュ)」以降に添加物やアレルギー表示があることについても知らない人は沢山いるので、業界として発信してほしい。
▽スーパーなどで1斤98円くらいの食パンが大量に販売されているが、どうすればあのように安い価格で製造できるのか。
▽日本で製粉する前の小麦の段階での輸入と国産の割合は。
▽消費者の健康を想うのならば、国内産の小麦の活用を考えても良いのでは。
▽原料原産地として「小麦粉(国内製造)」と表示されているが、これを外国産の小麦を国内で加工したという意味であることを知らない人は、国内産の小麦を使用したものと勘違いするのではないか。

新聞最新号へBACK