かめぱんカフェ〈東京都墨田区〉
新業態にチャレンジ
新しい食文化を創造する

BACK

 

 

佐伯氏(左)と鷲田氏

かめぱんカフェ外観

ビュッフェコーナーと厨房
 

スカッシュバー

客席

かめぱんCafe名物ポークシチュー

 P亀屋(佐伯信郎社長)が運営する「かめぱんカフェ」は、1月13日にグランドオープンした。オープン後数日にして、開店時間の前から店舗前には入店を待つ人が並び、亀屋の歴史的な安心感と信頼度の高さが感じられる。

 P亀屋は1952年に創業し、72年目を迎える老舗ベーカリー。現在、カフェを含め東京都内に3店舗を展開している。佐伯社長は3代目で、1970年生まれ。大学卒業後、大手スーパーマーケットに入社し4年勤めた後、パン関連企業に1年勤務してP亀屋に入社した。
 「パン製造の経験がなかったため、亀屋入社後は製粉会社が主催するパン講座や休みの度に各地で開催される講習会に参加して技術を習得した」と佐伯氏。
 同社の経営理念は「私たちはパンの製造販売を通じ、安心、安全な商品を提供するとともに社会に貢献できる人作り、街造りを念頭に運営を心がけています」。そして「ありがとうございますの気持ちを大切にする。会社の発展と働く者全てが幸せになれる理想郷の構築。作り手の思いが伝わる物づくり。心の通ったおもてなし。お客様の信頼に応えられる永続的な会社の運営。」を社訓に掲げている。
 佐伯氏は、かめぱんカフェをオープンした経緯を次のように話した。
 2005年にオープンした「かめぱん向島店」に、買い物途中でコーヒーと一緒に焼き立てパンの美味しさを実感してもらいと思いオープンテラスを併設した。そのテラスが顧客に喜ばれ、利用客が増えていったので8席から10席に改装すると、週末には「かめぱん」でパンを買ってお茶を飲みながら楽しむという文化ができた。特にファミリー層や若者に人気が出てきた。そんな光景を目の当たりにして、パンが気軽に食べられる環境は素晴らしいと思うようになった。この場所は、元々印刷工場だったが長い間空き家状態だった。「かめぱん向島店」の道路を挟んで正面のため、ここにオープンテラスを進化させた店舗を持ちたいと希望を膨らませていた。その想いが伝わり、建物のオーナーに会うことができ、相談すると亀屋の安心感と信頼度が評価され、実現が叶った。
 同カフェの立地は、企業や商店と住宅地が混在する半商業地域。コンセプトは、パンを楽しむカフェ。カフェというもののビストロの色合いも大きいので、少しずつ商品の展開数を増やしながら、将来的にはサンドイッチなどを提供したいという。また、焼き立てパンと本格的な料理を提供し、サラダバーやドリンク(スカッシュ)バーがあって、朝・昼・夜の食事ニーズに応える店舗形態について佐伯氏は「想い描いた店舗が実現したので、誰もやっていない新業態にチャレンジしたい」という。
 スカッシュバーは、数種類のシロップから好みの味を選び、備え付けの炭酸水を好みの量注ぐ。近隣来店客の多様性に対応したいという想いが込められている。
 「ベーカリーは、半径500mの商圏で近隣顧客に愛され、街づくりの精神を基本にしているため、かめぱんカフェもそれに準じている。様々な高級店がSNSなどで話題になっているが、最終的には地域に根ざした店が強いと思っている。若い頃は、ハード系やクロワッサンを綺麗に作ることに魂を燃やしていて、父とのもめごとが絶えなかったが、今思うと調理パンや食パンなど顧客の嗜好に合わせた商品を売らなければ街のベーカリーは生き残れないと思う」
 同カフェの人気メニューは次のとおり(税込)。
▽かめぱんCafe名物ポークシチューセット(1,518円)
▽無敵のカレー番長ピザハーフセット(1,078円)
▽コクうま明太マドンナセット(858円)
▽とろ〜りチーズの鉄板ハンバーグセット(1,628円)
▽ツナマヨコーンピザハーフセット(968円)
▽かめぱんの食パンハンバーガー〜ベーコンチーズのせ〜(1,518円)ほか
 佐伯氏は今後の展望を次のように述べた。
 現在は、亀屋とUZU GROUP(鷲田広継代表)の共同経営で運営しているため、互いの良い部分を出しながら、街の人に楽しんでもらい、地域の新しい食文化を作れるように頑張りたい。新しい食文化とは「かめぱん向島店」のテラスで見た光景の進化形で、気軽に利用でき、ファミリー層や若者だけでなく、会社帰りの男性や高齢者なども楽しめる場所に集まることが習慣化すること。

《かめぱん向島店》
 同店の人気商品は次のとおり(税込)。
▽1位/カレー番長(241円)=野菜多めのじっくり煮込んだカレールーをカリッとした生地にたっぷり包んだ。一般社団法人日本カレーパン協会が主催するカレーパングランプリ2023東日本揚げカレーパン部門で金賞を受賞した商品
▽2位/明太マドンナ(340円)=フランスパンにたっぷりの明太子バターマヨネーズが食欲を進める
▽3位/塩バターロール(135円)=国産小麦を配合。噛むと有塩バターがじゅわっと口の中に広がる
 三角サンドイッチは、開封状態で販売し来店客が清算した後に封をしている。

【P亀屋】
〒131-0043東京都墨田区立花2-1-11(かめぱん立花店)
電話03-3619-2205、FAX03-6657-2206
[かめぱん立花店]
▽定休日=火曜日
▽営業時間=7時〜18時30分/土・日・祭:7時30分〜18時
▽最寄駅=東武亀戸線おむらい駅・東あずま駅
【かめぱんカフェ】
〒131-0033東京都墨田区向島3-39-9
電話080-2376-2254
▽定休日=火・水曜日
▽営業時間=ランチパン:11時30分〜16時(L.O.15時)/パン飲み:17〜22時(L.O.21時)※朝パンの予定:8時30分〜10時30分
▽アクセス=東京メトロ押上駅より徒歩約2分
【かめぱん向島店】
〒131-0033東京都墨田区向島3-39-8
電話03-3625-2201
▽定休日=月・火曜日
▽営業時間=水・木・金:8時〜18時30分/土・日・祭:7時30分〜18時
▽アクセス=東京メトロ押上駅より徒歩約2分

新聞最新号へBACK

かめぱん向島店外観

店内の様子

カレー番長