ハード系の食事パンを主軸にしながら
食べやすいバラエティ商品も充実
Boulangerie IENA「イエナ」
BACK

 


オーナーシェフの
安藤氏と奥さんの知子さん

白を基調にした外観
 

店内
 

ハード系が並ぶ
メイン陳列

人気商品の
クロワッサン

プリンパイ
 

 大阪市中央区の谷町筋沿いに7月26日、白を基調にした可愛らしいベーカリーがオープンした。オーナーシェフの安藤章二郎氏は数店の個人ベーカリーと料理店での修業を経て、今年、念願の独立を果たした29歳の若きブーランジェ。
 立地は空堀商店街がスグ近くにある典型的な下町で、近隣には個人ベーカリーが乱立するベーカリー激戦区だが、ハード系のパンを主軸にしつつ食べやすいバラエティ商品も充実させることで差別化を図っていこうとしている。

 大阪市中央区谷町の空堀商店街の近所にオープンした「IENA(イエナ)」は、オーナーシェフの安藤氏が奥さんの知子さんと二人でフランス旅行に行った時に気に入ったという地名を店名にした。
 従業員は販売を担当する知子さんと25歳の製造スタッフの近藤さん、そして安藤氏3人で、店内には初々しさが漂っている。
 安藤氏はもともと何かを作るということが大好きで、高校の時も調理コースという選択科目があったのでそれを専攻したのだという。
 「最初から独立して店をやりたいと思っていましたが、就職する時にベーカリーか洋菓子店か迷いました。でも、洋菓子は毎日食べてもらえる物ではないので、将来の独立を考えて結局ベーカリーに就職しました。
 そこで色々なことを学んだのですが、少し経った頃、自分の考えている物と少し違うなと感じ始め、一旦、料理店に移りました。でも、料理をやっている内に、またどうしてもパンがやりたくなって、別のベーカリーでまたパンを学ぶことになったのです。
 作ったもので自分を表現したいという気持ちが強かったので、パンでは自分の思いが表現しにくい(差がつけにくい)と考えた時期もあったのですが、パンづくりに真剣に取り組んでいくと、パンは毎日違う物があがるし、自分のやり方次第で色々な表現が出来ることが分かってきました。店を出すときも、場所を選んで良い物を出せば、認めて下さるお客様がいると思って、今年、この場所で独立することにしたんです」と安藤氏は独立までの経緯を振り返る。
 同店の店舗面積は約15坪。売場が5坪で厨房が10坪という構成だが、天井が高いので売場も狭苦しい感じが無く、厨房にも中二階を作って、材料置き場と休憩所に利用している。
 作っている生地数は16種類。商品の総アイテムは90種類で、パンだけだと約60種類。その内の3分の一強はハード系のパンで、生地数も7種類ある。
 「製法や原材料に対して特別なこだわりはありませんが、バゲットやバタール、ハード系のバラエティに関しては長時間発酵でじっくり熟成させて作っています。
 試食も頻繁に出す様にしていますが、試食が大きすぎると、お客様から言われました(笑い)。それから、やはり焼きたてを重視したいので、アンパン等は一日3回焼きますし、人気商品のクロワッサンやデニッシュは、サクサク感を大事にしたいので、もったいないですが少し時間が経った物は下げるようにしています」(安藤氏)
 オープンしてまだ2カ月。周辺の客の動向がまだつかみきれていないというのが実情だが、来店してくれた客には小さめのパンを別にサービスして「一度食べてみて下さい」等、自店の商品を認知してもらう工夫を続けている。
 「まだオープンしたばかりで、認知されていないというのが現状です。時間があるときは街頭でビラを配ったり、近所のマンションにチラシを持っていったりしていますが『いつ出来たの、知らなかったわ』と言われることの方が多いです。今は、店と商品の良さを一人でも多くの人に認知していただくことが当面の目標です」(安藤氏)
 同店の人気商品は、フレッシュバターを使い外はサクサク、中はしっとりのクロワッサン100円、長時間発酵で粉の甘さが感じられるバゲット190円、バタール180円、カンパーニュバゲット220円、モッチリしたハード系の生地で作ったトマトスティック180円、オリーブスティック180円、帆立220円、たっぷり入ったマカダミアナッツとレーズンが絶妙なバランスのマカダミアレーズン350円、サクサクのパイにプリンと生クリームを載せたプリンパイ110円等。また、通常より少し塩分を増やした角食もよく売れているそうだ。
 最後に安藤氏は「夢はイートインのスペースがとれる少し大きめの店を出すことです」と将来展望を話していた。
 【イエナ】 住所=大阪市中央区谷町七丁目1ー39新谷町第2ビル119号、営業時間=午前8時〜午後7時、日祝定休、電話06(4304)1215 ベーカーズタイムス2004.11.10号掲載

前へ戻る