宇治市黄檗の超有名店「たま木亭」
4坪の店内には個性溢れる商品がぎっしり
壊れやすい商品に配慮して一部対面販売に
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たま木亭のスタッフ。
向かって左から3番目が玉木氏。

個性的な商品が並ぶ店内
 

レジの横は一部
対面になっている

ちょっとベーカリーとは
わかりにくい黒の外観

人気商品のバゲットと
バゲットマニアック

カレーパン
 

 JR奈良線「黄檗駅」から徒歩約5分の所にある『たま木亭』は、売り場面積わずか4坪というこじんまりとしたベーカリーだ。
 しかし、その狭い店内には常に、個性的でフレッシュ感溢れるパンがぎっしりと並べられ、開業からわずか3年の間に、土・日には遠くからわざわざ同店のパンを目指して大勢の客が詰めかけるほどの超有名店になった。
 「たま木亭」は、2001年に開業した小さなベーカリーだが、YAHOOのネット検索で「たま木亭」を検索すると、34件も表示される超有名店だ。
 オーナーシェフの玉木潤氏(37歳)は、インターネットをやったことがないというのだから、もちろん自社のホームページを開設しているわけではない。その大半が、パンを買った客の個人ホームページで、「あのパンが美味しかった」「私のお薦めの店です」等、勝手に同店を紹介してくれているのだ。
 もともと玉木潤氏は、父親がJR奈良線の一駅先にある「宇治」で「ベーカリー・タマキ」を営業していた(現在も営業中)ので、そこを1年手伝った後、京都センチュリーホテルに2年務め、その後、大阪の桃谷にあった福盛パン研究所の紹介で潟hンクに入社した。
 「ドンクのフランスパンを初めて食べた時、『自分もこんな美味しいパンが作れるようになりたい』と思ったのです」と、玉木氏はドンクに入社した当時の思いを語った。その熱い思いが技術向上に拍車をかけたのか、玉木氏は(株)ドンクに勤務していた時、クープ・デュ・モンド(ベーカリー・ワールドカップ)に日本代表として出場し、3位の成績を残している。
 それでも、最終的には独立して自分で店を持つことを決めていたらしく、ついに4年前、実家の近所で自分の店を開業することにしたのだという。
 同店の商品アイテムは約70種類(生地数は8種類)。ハード系の商品が主体だが、フランスパン生地を使ったバリエーションで菓子パン等も作っている。売り場が4坪(厨房は9坪)しかないので、商品がボリューム感たっぷりに並べられ、初めて来店した客は揃って「たま木亭にはたくさんの種類のパンがある」という印象を持つようだ。
 「月に何品というように決めて新製品を出しているわけではありません。思いついた時に気分で新しいパンを作っているのですが、お客様には『また、新しいパンが出ているね』という感じがするようです。
 原材料や製法にしても、特にこだわっているという意識はありませんが、原材料の原価率は大体35〜40%になっていると思います。これで利益を出すのは難しいのですが、個人の店はこんな規模で、こんなやり方でやるのが一番良いのではないかと思っています。
 せっかくパンを作っているのですから、お客様に普段の生活の中で、ちょっとした幸せを感じでいただければ、自分たちも嬉しいです」と玉木氏は語る。
 同店の売り場は入って左の壁沿いにサンドイッチのショーケースと陳列棚があり、右側にあるレジの横には、クロワッサンなどを入れた対面販売用のショーケースが置いてある。
 「ブロートハイムを見に行った時、いい感じだなと思ったので、対面を採り入れようと思いました。店舗のデザイン的なこともありますが、壊れやすい商品をケースに入れて対面で販売するようにしています」(玉木氏)
 日商額は、春、秋で35万円〜40万円。夏場でも20万円〜25万円。平日は近隣の常連客で客単価は600円前後。土・日は遠くからの客が増えて、客単価が900円〜1000円位になる。製造は平日が6〜7人のローテーションで、土・日は8人〜9人のローテーションになるそうだ。
 人気商品は「バゲット」210円と少し細めの「バゲット・マニアック」210円。ルヴァン・ルヴュールを使って一晩おき、翌日に本捏ねして作ったもので、クラストのパリパリ感とクラムのモッチリ感が絶妙のバランスだ。
 その他、天然酵母を使った「カンパーニュ」630円、カリカリしたクルミのお菓子「クロッカン」105円、ワイン漬けイチゴの入った「カサブランカ」168円、甘めのチーズフォンデュにマンゴーを入れた「カメレオン」189円、赤ワインで牛すじ肉を煮込んだ洋食屋仕込みの「カレーパン」147円等。
 フランスパンは1日3〜4回焼き上げ、菓子パン類はそれ以上、カレーパンは5回揚げる。
 「ドンクなどではフランスパンを1日7回焼成したりしていますが、個人店では、菓子パン類は回数を多く焼き上げることが出来ますが、フランスパンは限度があります。体を壊しては何もならないですし、無理のない範囲で続けていこうと思っています。
 そういう意味ではウチは休みも多いです。月に6回定休日がありますし、夏休みは2〜3週間とっています」(玉木氏)
 最後に玉木氏は、これからの展望を次のように話してくれた。
 「この店は自宅兼店舗なので、2階の部屋に冷蔵庫や冷凍庫を設置して材料や生地等をストックしていますが、住むスペースがどんどん狭くなってきています。それと、わざわざ遠くから買いにきていただいたお客様のために、ちょっとしたベンチを置いて、くつろいでいただけるスペースを作りたいと思っています。但し、あくまでも1店舗でやっていきたいので、移転するためのもう少し広い店を探しているところです」
【たま木亭】
▽住所=京都府宇治市五ケ庄新開14-91(JR奈良線「黄檗駅」徒歩5分、東宇治中学校向かい)
▽電話0774(38)1801、営業時間7時〜19時▽定休日=毎週月曜日と第2第4火曜日 ベーカーズタイムス2005.3.10号掲載

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