 カンパーニュなどのハード系
|
 焼き菓子類
|
新宿から東京メトロ丸の内線で約10分、中野富士見町駅から東へ2〜3分の場所にブーランジェリー ルボワはある。
店の周りは学校・病院・住宅地で、少し北に行けば二子山部屋もある。
自然の素材を使った内装と対面販売による客との良好なコミュニケーションで人気を呼んでいる。
オーナーの森朝春(もりともはる)氏は1970年石川県羽咋市に生まれた。実家のパン屋を継ぐ予定で東京製菓学校へ入学。卒業後は都内のパン屋に勤務。その後、渡仏、パリで3年間修行した。帰国後「パティスリーマディ代官山」で3年間勤務の後、2001年10月31日、現在の場所に同店をオープンした。
独立は、友人に「いい加減に自分の店を持て。タイミングは今が一番だ」と促されたことで意を決した。具体的な計画をたてたのはオープンの一年前。
「フランスから帰国して3年ほどこの付近に住んで気に入っていたことと、娘が近くの保育園に通っていて友達にも恵まれていたので環境を変えたくありませんでしたから、この付近に良い物件が見つかればいいと願っていました。
偶然、妻が娘を連れて歩いていると現在の店舗を見つけたので、すぐに決めました。ですから、客層や競合店のことはほとんど調べていません」と語る。
店の造りについては「都会らしいかっこいい店よりも、ヨーロッパの田舎をイメージして、対面式の販売でお客さんとのコミュニケーションを大切にしたいと考えていました。パリでもほとんどが対面式ですので、店舗の設計段階から販売方法を決めていました」
対面式販売のメリットは、言うまでもなく生のコミュニケーションができること。
何気ない日常会話を大切にし、客の要望や思いを商品に反映させる。無言でパンを選び、列んで、金を払ったら出ていくというパン屋にはしたくなかったという。
逆にデメリットは、人手がかかること。一対一で接客するため、セルフよりも人が多くなければ、さばけない。それだけ人件費が増える。もう一つは客を待たせること。混んできて列ができると怒って帰ってしまう人もいるそうだ。
国内ではブロートハイムやナイーフを参考にした。
「ブロートハイムの明石さんにはよく相談に乗ってもらっています。対面式販売の個人店で成功されているので、将来の目標にしたいと思っています。それと対面式販売ではなくても、夫婦で営まれている店の良さを積極的に取り入れていきたいと思っています」と目標をはっきり述べる。
店名は、フランス語で「森」を意味する「ル・ボワ」から由来。冠詞である「ル」と名詞の「ボワ」のスペースを詰めることによって、フランスでは名字に使われる。オーナーの名前が森なので「ルボワ」とした。また、森のイメージで木の暖かみを出した店舗にしたいという思いもあった。
「パン作りは種を使うことを基本にしています。ただし、食パンとクロワッサンには種を使っていません。どのパンも目指すのは口溶けの良さです。そのために、生地を長時間発酵させるなど、時間と手間は惜しみません」
従業員教育について質問すると
「笑顔を絶やさないこと。元気よく『いらっしゃいませ』『ありがとうございました』が言えること。そして、気付いたことや自分の考えは日常会話ですぐに伝えること。新商品の提案や開発も思い付いた時に話してくれるように指導しています」と、ここでもコミュニケーションを大切にするオーナーの考えが浸透している。
最後に、今後の展望について、森氏は次のように話してくれた。
「店舗の拡大や、別の場所での出店は考えていません。この場所で地道に営業を続けて、自分だけのパン発祥地にし、ここでしか買えないパンがある店に育てていきたいと思っています。売上面でもあまり大きなことは考えていません。多少は残したいですが、ガッポリとまでは思っていません。遠くからでも買いに来てもらえる店になればとても嬉しく思います」
同店の売場面積は3坪で厨房が9.5坪、駐車場2台。主な設備はオーブン1台、ミキサー1台。
従業員は正社員2名、パート1名。
商品構成は、ハード系20%、デニッシュ系20%、菓子パン30%、調理パン10%、クッキーなどの焼き菓子20%。
人気アイテムは菓子パンとクロワッサン、それと『くるみとクランベリーのルヴァン』。ルヴァンは焼き上がってから1時間ぐらいで直ぐ売り切れてしまうという。
日商は平均約12万円。土曜日は平日よりも売上が上がるので、月商にすると260〜300万円。
定休日は、子供たちとのコミュニケーションを大切にするために日曜日に設定した。
【ブーランジェリー ルボア(Boulangerie Lebois)】
〒164-0013東京都中野区弥生町2-52-4、営業時間=9時〜19時、定休日=日曜日・第2、第4月曜日、 TEL03-32299-8015
ベーカーズタイムス2007.1.10号掲載
前へ戻る