Backstube Zopf 千葉県松戸市
まさに「びっくり箱」毎日、250種以上のパンが並ぶ
客の滞在時間が長くなる工夫も

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伊原靖友氏

一見、パン屋だと思えない外観

カフェ内の様子

カフェ入口

レジ周りの様子(常に商品が取りやすいように整理している)

パンの置き方には無駄がない

 JR常磐線北小金駅からバスで約10分、閑静な住宅に囲まれた通り沿いにBackstube Zopf(バックチューベツォップ)はある。8坪の売場には常時、250種類以上のパンが所狭しと並び、客足は途切れることがない。

 オーナーシェフの伊原靖友氏は1965年生まれ。高校を卒業後、実家のパン屋を継ぐべく、神奈川県平塚市の「シェーンブルーン」で3年間修行をした。
 実家に戻り、パン作りと経営を実践するが、修業時代と実際とのギャップを感じ、最初のころは、父親とぶつかることもしばしばあったと言う。
 オーナーとなって経営する計画は2000年に照準を合わた。そして、その5年前から夫人と一緒に準備を進め、代替わりを機に店の仕切り直しとリニューアルをして、Backstube Zopf を独自路線でオープンした。
 その路線とは、「定番商品を増やす」ことと「いつ来ても同じものがある」というもので、一度作ったパンは作り続け、お客さまを裏切らないということだ。
 そのためにパンの種類は増える一方で、季節商品を含めると400種類を超えるまでになっている。
 毎日、40種類の生地を仕込み、250〜300種類のパンを作る。
 「最初は投資ばかりで大変でしたが、自家製酵母に関心を示した健康食品スーパーに卸している業者さんから卸の話がありました。
 競合相手も少なく、コラボレーションが軌道に乗って、1年後には40店舗に卸すようになり、店の核を確立できました。
 しかし、卸の依存度が売上の7割を占め、業者側から無理を言われるようになってきたので、総売上を変えずに卸の構成比率を下げるため、店売りの充実を考えて実行しました。
 さらに、技術提携を条件に、業者さんでパンを作ることを提案したら受け入れてもらえ、工場も建てて生産してもらえるようになりました。今は卸は全くなくなりましたが、その業者さんとも良好な協力関係を築いています」と当時を振り返る。
 店名のBackstubeは、ドイツ語で「パン焼き小屋」、Zopfは、「編み込みパン」の意味。いろいろなパンを編み込んだようなパン屋にしたいので命名した。
 店は広い通りに面しているにも関わらず、一見パン屋とは判断し難い。壁にガラス面がなく、店内の様子が外から見えないからで、西陽がまともに入るからだという。店の内外装は全て夫人が担当したが、設計段階から前面は壁になっていたとそうだ。
 伊原氏は同店を自ら「びっくり箱」と表現する。まさに扉を開けた瞬間、多数のパンが目に飛び込んでくることが店のコンセプトになっている。
 客への心配りについて質問すると「店が小さいからコミュニケーションがよくとれていると思っています。人と人のつながりや思いやりを考えるようになったのは、ビゴ東京の藤森氏の講演会がきっかけです。
 これからのリテイルベーカリーはホスピタリティが重要だと教えてもらいました。『気配りこそが、生き残る道』だと考え、従業員には、お客さまの滞在時間を長くするようにパンの説明をしたり、どんなパンが好きかなど積極的に話しかけるように指導しています。せかせかとパンを売るだけではなく、お客さまとのコミュニケーションを大切にしています。
 8坪の売場に5人の従業員は多過ぎますが、パンを売る以外にやることは一杯あると考えています」。  従業員教育については、「『こうすればお客さまが喜ぶ』ということはやらせていません。人間として当たり前のことを自然に行う。自分から進んでする。そうでなければ、ほんとうの気配りにはならないと思っています」と語る。
カフェ「Ruheplatz Zopf」は、2003年に2Fを改装・増築してオープン。
 「お客さまへの提案は、カフェを活用にしています。オープン以降、リーンなパンが飛躍的に売れるようになりました。私たちパン屋がリーンなパンを好むように、お客さまも嫌いな訳がありません。ただ、食べ方が分からないから買ってくれないだけで、簡単な提案をすることによって理解していただけると思っています」と話す。
 製法面では、自家栽培のブドウからおこす自家製ブドウ酵母を一部で使用している。
 「天然酵母を売りにしているパン屋ではないので、約10%ぐらいです。他はパン酵母や混合したものを使います。
 以前は50株ほどありましたが、現在では1株を残すのみです。それでも年間約20kgの実が収穫できます。
 樹が枯れたり、元種がダメになった時のことを考えて、お客さまに元種をお分けし、つなぎ方をお教えしています」
 「研修や見学が多くなったので、プロ向けのパン研修所を建設中で、5月にスタートする予定です」と独自路線で後進を育てる強い意志も打ち出していた。
▽店舗面積=1階売場8坪、厨房17坪、2階カフェスペース16坪(20席)、厨房9坪▽主な設備=オーブン2台、ミキサー2台、ドウコン1台▽従業員=正社員21名、アルバイト14名▽商品アイテム(%)=食パン10、ハード系25、デニッシュ20、菓子パン25、サンドイッチ10、調理パン10
▽よく売れている商品(販売数)=あんパン・カレーパン、(リピート率)=ライ麦パン▽年商=約2億円
【Backstube Zopf】
〒270-0021千葉県松戸市小金原2-14-3(JR常磐線北小金駅南口より新京成バス「2」(表門経由小金原バス案内所行き)にて「表門」停留所下車、徒歩2分)TEL/FAX047-343-3003
営業時間(Backstube Zopf)6時〜18時 定休日木曜日・第3水曜日、(Ruheplatz Zopf) 6時30分〜17時30分 定休日木・金曜日・第3水曜日
URL:http://www.zopf.jp

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