鳴門屋桃谷本店/大阪市生野区
全面改装でイメージ刷新 商品類もほぼ半数を入れ替え
適正な価格で利益を確保しつつ、店と人に投資し、活性化を図る

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長江稔社長

焼き込み調理パン系の平台

ブラウン系でまとめたシックなイメージの外観

3つの平台を中心に空間を持たせた店内

常時賑わうジミー(2階)

ほうれん草のフォッカッチャ

 鳴門屋製パンM(本社=大阪市平野区、長江稔社長)の桃谷本店が約1カ月かけた全面改装を完了し、9月11日にリニューアルオープンした。
 同社では先の7月に『そうざいや彩(いろどり)』もリニューアルしており、今年から本社工場も含めて、順次、各店のリニューアルを行っていく方針だ。

 桃谷本店は昭和33年に開設した店舗で、JR環状線の桃谷駅前にある大型店。桃谷商店街の入り口に位置することもあって、最盛期は日商で100万円を割り込むことがないほどの繁盛店だった。  しかし最近では、近隣に多くのコンビニが出来、パンの販売チャネルが急激に増えたことから、かなり苦戦を強いられる状況になっていた。  今回の桃谷本店全面改装について、長江社長は次のように話す。  「当社では現在、売上の約40%を卸部門が担っていますが、その量販店との取引にも重要なポイントになる、会社の顔を、もう一度作り直しかったのです。  それと、オーナーシェフ型のリテイルには勢いのある店もありますが、我々のような中堅クラスのリテイルはどうも元気がない。おこがましい言い方になりますが、先陣を切って動くことで、同クラスのリテイルを景気づけたいという思いもありました」  同社は50店の量販店へ卸しており、既存取引先や新規取引との交渉の際に、しっかりした直営店の存在は大きなアピールポイントになる。同社では、7月に行った『そうざいや彩(いろどり)』の改装を皮切りに、順次、10店ある直営店の改装を行い、会社全体のイメージアップを図っていくという。  「年内にあと2軒の改装を予定しています。今回の桃谷本店は大型の店で、リニューアル効果は予想以上に出ています。但し、今後、改装を行っていくのは小規な店舗なので、それらが順調にいくかどうかが今後に大きな影響を与えます」  桃谷本店の改装には丁度1カ月かかり、その間は店を休業せざるを得なかった。投資額は約7千万円。内装に5千500万円をかけ、設備の一部入れ替えに、1千500万円をかけた。  新しく導入した設備として特徴的なのは、中井機械工業Mの『スタンピングミキサー』。吸水が約80%も入るきねつき方式のミキサーで、同機で作った「きねつき食パン」は好調な売れ行きを示しているという。  同店は1階がベーカリーで、2階には『ジミー』という名前のカフェレストランを併設している。  今回の改装で予想以上だったのは、このジミーの売上。席数は80席で、改装前から数席しか増えていないにもかかわらず、改装後は大幅に客数が増加し、特に、夕方からの客が増えた。  「メニューを多少増やしたことと、内装をシックなブラウン系でまとめたことで、イメージが上がったのではないかと思います」  このジミーだけで平日日商約25万円。土日には30万円強の売上が上がるようになったという。  1階のベーカリーも改装前とガラリと雰囲気が変わり、中央に商品毎にエリア分けした平台の3つの島を配した。  「今回の全面改装を機に、商品類も半数以上入れ替えました。入り口を入って左側の壁沿いに陳列されているパンが当店の従来からのパンです。そして、中央の平台に、ハード系のパン、焼き込み調理系のパン、デニッシュ系のパンという3つの商品群の島を作りました。ここに陳列してあるパンが、新製品やリニューアルのパンになっています」  人気商品は、ハード系の平台では、「サンフラワーレーズン」(420円)やライ麦を配合した「ズニックレザン」(315円)、デニッシュ系の平台では「洋ナシのタルト」(158円)や角切りベーコンを包み込んだ「ほうれん草のフォッカッチャ」(147円)など、そして、焼き込み調理パンの平台ではバーガー類のサンドイッチなど。  また、ベーカリーショップ店内と正面の外観も基本色はブラウンに統一し、天井の高い開放感のある空間ながら、落ち着いた雰囲気を醸し出している。  「ベーカリーは売上の割には本当に人手が掛かる業種です。ですから、従業員のやる気次第で、会社の状態が大きく変わってしまいます。私はパンが作れないので、出来るだけ従業員とのコミュニケーションを取るように心がけ、働いてもらいやすい職場環境づくりに務めるのが最大の仕事だと考えています」  同社では毎年学卒を定期採用して実績を作っていることから、新卒に関してはまずまず安定的に確保できているようだ。  「当社でもパートやアルバイトの比率が結構高く、今回の法改正によって人件費はかなりのコストアップになっていくと思います。他の業種では、かなりの好条件を提示して人材確保に奔走していますから、ベーカリーも良い人材を確保するために、待遇を改善していける利益を出していかならなければなりません。そのためにも適正価格で販売できるように、業界全体で価格の見直しをしていく必要があると思います。  アクションを起こさないと何も生まれません。こだわりの技術を持つオーナーシェフ型の店ではない私たちのクラスのベーカリーでは、店と人に投資をして、店舗を常に活性化させていく以外にはないのではないかと思っています」 【鳴門屋桃谷本店】  大阪市生野区勝山北1-1-2、TEL06-6718-1001

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洋ナシのタルト

サンフラワーレーズン

きねつき食パン