 新製品のプロシュート
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 店舗全景(左が入口、右がガラス張りの厨房)
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 焼き菓子やギフト商品が並ぶ店内
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2005年1月にオープンした『マリアージュ ドゥ ファリーヌ』は、ベーカリーとは思えない外観、内装、商品群、そして接客で人気を博している。
数々のコンクールで賞を獲得するなど、業界の技術力向上に大きく貢献している統括責任者の須藤秀男氏は、「もっと、日本の人にパンを食べてもらいたい」という目標でパンを作り、他の店ではできない売り方や接客を行っている。
『マリアージュ ドゥ ファリーヌ』を直訳すると、粉同志の結婚。いろいろな粉の組み合わせでパンやお菓子を生み出すという意味でつけられた。
パティシエ出身である須藤秀男氏は、「見せる」ことに重きを置き、「目からの感激」をパンで表現したいという。また、他の店にできない売り方や接客、それに「スタイリッシュで清潔に」を常に意識している。客が喜んでくれる美味しくて安全なものを作ることが経営方針だ。
同氏は、1974年横浜市に生まれ。辻製菓専門学校を卒業後、「メゾン ド プティ フール」「タイユバン ロブション」を経て「ブーランジュリー ブルディガラ」「ペルティエ」両店でシェフブーランジェを歴任。現在は『マリアージュ ドゥ ファリーヌ』と同店の別ブランド『コンフィチュール アッシュ』の統括責任者を務める。
また、第6回キリクリームチーズコンクールパン部門「優勝」をはじめ、第7回同コンクール「最優秀賞」、カリフォルニア・レーズンコンテスト「消費者推薦優秀賞」、米国産はちみつレシピコンテストベーカリー部門「優勝」など、挙げればきりがない程数多くのコンテストで賞を獲得した輝かしい実績を持つ。
コンクールに対する取り組みを須藤氏は次のように語る。
「ペルティエ時代にクープ デュ モンドに初挑戦をしました。それまではできる環境ではありませんでしたが、店をオープンしてから、これまでの経験と現在の土壌、自分自身の技術に対する自信もあったので挑戦しました。しかし、今後は若い人達の挑戦を支援していこうと思っています」
店舗の所在地は、東急田園都市線駒澤大学駅から南へ、または同東横線都立大学駅から北へそれぞれ徒歩15分〜20分、駒沢オリンピック公園のすぐ南に位置し、深沢ハウス入口の店舗棟にある。店舗棟といっても同店2店舗と歯科医の3軒。しかも両店間の通路にはフリースペースとして同店のテーブルや椅子が置かれて、来店客のイートインコーナーにもなっているので、ほぼ独占と言っても過言ではない。バス通りから一本西に入った駒沢公園に通じる道路に面し、周辺は閑静な住宅地。
深沢ハウスは約700世帯が住んでいるセキュリティレベルが高い高級マンション。店舗の外観はコンクリート地肌の外壁とガラスのみ。厨房がガラス張りなのでフリースペースからパンの製造工程のすべてが見える。同店でパンとケーキの販売とパンの製造を行い、対面にある「コンフィチュール アッシュ」でコンフィチュールと一部の焼き菓子の販売、ケーキの製造を分担して行っている。
店舗内は、コンクリートのグレー、家具の黒、パン棚のダークブラウンとステンレスのシルバーでまとめられていて、落ち着きと高級感がある。
正面に平台があり、惣菜系のパンと焼き菓子、ギフト商品。左角に、デニッシュ系、その奥にハード系。右側には、ケーキのショーケースとレジがあり、正面奥はサンドイッチとドリンク類の冷蔵庫がある。
スタッフは誰もが丁寧な接客態度で、客にお勧め商品や食べ方・保存方法の説明をしている。客が店を出る時は先回りして、ドアを開け「ありがとうございました」と礼をいう姿が非常に印象的だ。
商品の比率は、パンとケーキそれぞれ50%。但し売上は、パンが60%を占めている。パンの商品構成は、ハード系40%、デニッシュ系30%、惣菜系30%。オールスクラッチで厳選食材を使用している。
1番人気は、クロワッサンにキリクリームチーズが入った「キリワッサン アナナス」(第7回キリクリームチーズコンクール最優秀賞、税込525円)。新製品の「プロシュート」は生ハムとエダムチーズをマリアージュ生地(バゲットに使用しているフランス産粉の生地)を使って焼き上げた(税込294円)。
客の流れは、天候によって大きく左右される。公園に近い立地のため雨が降ると客足が止まってしまう。また、休日は平日の3倍近い来店客数となり、まるで観光地のようだともいう。
「お客さまの層は、30代〜50代で本物志向の方が多く、ほとんどがリピーターです。中には遠くから買いに来てくださる人もいます。最初は価格的にも、とっつきにくかったようですが、だんだんと定着してきて、最近では常連のお客様も増えてきました。
これからのパン屋は、きっちりとした製品を作って、それに似合う価格で売っていかなければいけないと思っています。パン業界全体として価格の底上げを徐々に行う必要があるのではないでしょうか。
比較的単価の高いケーキを一緒に販売している影響があるのだと思いますが、高いパンでも売れています。ですから絶対に美味しいと評価されるパンしか店に置けません。
値上げについては、一気に実施すると受け入れてもらえないので、なるべくこのままの価格で販売していく方向です。あまりにも値上がり幅が大きい食材はやめて、新しいパンをつくることを考えています」
須藤氏は現在の店の状況についてこう話した後、今後の取り組みについても次のように語った。
「この店を通して、もっと日本の方々にパンを食べてもらいたいと思っています。そのためにいろいろなパンを提案しています。スタッフには、美味しいパンの食べ方や保存方法、パンに合う料理など、食べるシュチュエーションを考えた接客ができるような教育を行うよう心掛けています。
これからは、深沢ハウス内にある施設を利用して、パンの教室や食べ方の提案会などを実施したいと思っています」
▽店舗=15坪▽厨房=25坪▽2F(屋上)=ベンチのあるスペースあり▽フリースペース=テーブル2台、椅子16脚▽駐車場=なし
主な設備▽ミキサー=2台▽オーブン=2台▽ドゥコン=3台
【Mariage de Farine(マリアージュ ドゥ ファリーヌ)BOULANGERIE-PATISSERIE】
〒158-0081東京都世田谷区深沢2-1-10、TEL03-5752-1015、FAX03-5752-1016
営業時間=10時〜19時、定休日=火曜日と第3水曜日、URL=http://www.m-farine.jp
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