 「天然酵母のビエノワ」
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 「クリームパン」
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 多くの調理パンが並ぶパン棚
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京都洛北にある「レ・フレール・ムトウ」は、本店を移転、1月28日にオープンした。パティシエ出身のオーナーシェフが、洋菓子の技術やノウハウをプラスしたパンと一緒に、ケーキ、焼き菓子、ワインが購入できる店として人気を博している。
オーナーシェフの武藤康司氏は、大阪府出身の39歳。辻製菓専門学校を卒業後、大阪・門真の「ゲベック」洋菓子店で11年間修行。その後、京都プリンスホテルに2年間勤め、2000年、30歳で独立し「レ・フレール・ムトウ」をオープンさせた。2年後には、市内の油小路に2号店をオープン、今年1月28日に本店を一条山の麓に移転した。
独立当初から、いずれは自分の土地で店を持ちたいと考え、数年前から現在の場所に目を付け、銀行や不動産会社に希望を出していたところ、テナント時代に世話になった工務店の仲介で、めでたく店舗の建設に至ったという。
パン・菓子の職業を選んだ理由を武藤氏は次のように話す。
「元々は、すし屋になって、自分の店を持つことが夢だったんです。ところが、高校で進路を決める時、お菓子もおもしろそうだと思い、辻製菓専門学校に進学しました。入学後は手先の不器用さに悩まされましたが、もの作りが楽しく、辞めたいと思ったことはありません。その時から30歳で独立することを自分で決め、公言していました」
店のコンセプトは、『帰りたくなくなる店』だという。パンを選んでいるうちにケーキを買ってもらったり、ワインがほしくなったりと、食品の買い物が同店で完結でき、滞在時間を長くすることを理想としている。イートインの併設もその一環だ。
パンと洋菓子の構成比は、売上ベースで半々。武藤氏は、洋菓子店だと思っているが、客は、パン屋という印象が強いらしい。
パン作りに対する基本的な考え方を、武藤氏は次のように語る。
「特別なこだわりは持っていません。高い原材料ばかりを使っている訳でもありません。試作品をスタッフと共に食べてみて、美味しいと思うものだけを店頭に並べています。自分の作るものが、一番美味しいとは限りませんから、スタッフの提案を積極的に取り入れています。また、作る側の思い入れを、お客さまに押し付けるような商品はできる限り出さないようにしています。
スタッフは、正社員採用を基本にしています。経営的には厳しいのですが、自分の作ったものが売れるという喜びを味わって、安定した製品を作り続けるためには、正社員の比率を高くして、目標を持って働いてもらいたいと考えているからです。できれば、全て正社員にして、ピラミッド型の組織を作りたいと考えています」
更に、パン作りのおもしろさについてもこう付け加えた。
「出発点が洋菓子なので、その技術やノウハウを、パンにプラスしていくことが私のスタイルだと思っています。パン屋では使用しないピューレ類を合わせたり、素材を応用することにおもしろさを感じています。それが、他店との差別化に繋がっていくように思います」。
パンの商品構成は、調理パン・サンドイッチが40%、菓子パン・デニッシュ20%、食パン20%、ハード系10%、その他10%。7種類の生地で約100種類のパンを作っている。
売れ筋商品のベスト3は、1位が「めんたいこ」(230円税込み)フランスパンに明太子を塗った調理パンで、同店を代表する商品。2位は「天然酵母のビエノワ」(330円税込み)イカスミ入りのフランスパンにベーコン・マスタードを入れたもの。3位は店舗移転時にボリュームアップしてリニューアルした「クリームパン」(130円税込み)。このクリームパンだけのために作ったカスタードクリームが包んである。他に天然酵母を使ったパン(常時6〜9種類)は、手堅い人気商品になっている。
「これからは、ライ麦で作ったカンパーニュに力を入れたいと思っています。大きなパンなので、1/2、1/4にカットしたり、クロック・ムッシュにしたりと、色々な提案を考えています。ワインとカンパーニュを買って下さったら、本当に嬉しいです」と武藤氏。
客層は、20代後半から50代の女性が多く、休日になると、その女性が夫婦で一緒に来店する。
値上げは、昨年の11月に実施、6月から再値上げを行った。
「特別な原材料にはこだわらないといっても、品質を維持する上で選別は必要です。これだけ、様々な原材料が高騰すると、自助努力だけでは難しい面があります。また、洋菓子類はパンに比べ、嗜好品的な要素があるためお客さまの要望も厳しくなります。もちろん仕入れ業者との信頼関係も大切にしていかなければやっていけません」と武藤氏。
最後に武藤氏は、今後の展望を次のように語った。
「製造面でパンにかける割合が大きいので、もう少しだけ、洋菓子にシフトすること。イートインコーナーを充実して、カンパーニュを使ったランチを提供することです。そして、若い人の定着率向上を実現し、きちんとした利益が出せる店を目指したいと思っています。『やる時はやる』を座右の銘に、これからも前向きな姿勢でありたいと思っています」
【レ・フレール・ムトウ本店】
〒602-0015京都市左京区岩倉播枝813-3
▽TEL・FAX=075-724-3299
▽定休日=元旦のみ
▽最寄駅=叡山電鉄木野駅下車、徒歩1分
店舗面積は、売場15坪、厨房28坪、イートインコーナー5坪(10席)。客単価は平均約1,100円。従業員数、正社員14名、パート・アルバイト3名。主な設備、ミキサー1台、オーブン2台、ドウコン1台。
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