「ザクロ」 神奈川県横須賀市
カイザーの製法に準じフランス食文化を広める
住宅地に構えた新進気鋭の新店

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森田氏

フランスにあるベーカリーのイメージで施工

久里浜駅からバスで15分ほどの高台に位置
 

バゲット/¥250

テラス

ヴェノワズリー類

 神奈川県横須賀市に店を構えるザクロは、開店から僅か1年しか経っていないが、近隣及びインターネットのグルメサイト等で人気を博している。

 同店のオープンは2008年1月。店名の「ザクロ」は、ザクロから酵母を採取していること、以前店の土地にザクロの木が生えていたことが由来。この自家製酵母はメゾンカイザーで使用されているルヴァン・リキッドと、ほぼ同じものだ。
 ブーランジェの森田克己氏がカイザー出身のため、製法はカイザーのものを継承している。もちろんすべての商品にルヴァンを使用。配合もカイザーがベースとなっている。
 「カイザーの製法は個人のリテイルベーカリーに最適な製法だと思っています」フランスの厳しい労働時間を考慮し、効率的な作業工程が基本となるカイザーの製法を、森田氏は高く評価する。
 他店の製法に比べ、ミキシングが長い。それが冷蔵発酵に合うからだ。
 前日に一次発酵から成型まで行う。二次発酵を長時間冷蔵発酵し、翌日に焼成するものが多いため「焼成に集中できる」と森田氏。
 午前と午後に同じ種類の商品の焼き立てを効率よく出すことも可能だ。焼成は「焼き過ぎないように」と気をつけている。焼き色は決して濃くはなく、クラストよりクラムの味わいが押し出される。
 粉は日本製粉の粉を中心に、日清製粉のメゾンカイザーや、鳥越製粉のドヌールなど様々な粉を試している。塩はフランスのゲランド。フィリングは自家製が中心。
 店頭には40〜50種類ほどが並ぶ。仕込み生地数は7種前後。カイザー同様日本独特のあんぱんといった、ドメスティックな商品は作らない。森田氏が力を入れるのは欧風、とりわけフランス系のパンが多い。特に数が出るのは6〜7種類ほどのサンドウィッチ類で、土日は50個ほど売れる。
 「フランス系のパンのおいしさを広めたい」と森田氏は唱える。周囲の店には置いていないパテやリエット、オリーブオイルなどを店頭に並べているのも、欧米の食文化を提案する要素が強い。神奈川県はパン食が支持されているがこの地域は「まだまだ田舎」(森田氏)。欧風パン中心のラインナップは珍しいため、チャバッタにオリーブオイルを浸ける食べ方の提案などが、地域住民には新鮮に映っているようだ。
 また同店には、試食が多い。ほとんどの商品に試食が添えられている。「味を知ってもらうため」、そして「価格設定に納得して欲しい」という意図だ。価格設定は「都内などに比べ決して高くはない」(森田氏)が、周囲のベーカリーに比べると高く感じる来客に対しての、プレゼンテーションとなっている。
 住宅地に店舗を構えているため、平日は近所の住民が多い。土日は平日に比べ、客数が1.5倍、売り上げは2倍ほどになる。口コミで近隣市町村から足を運ぶ客も多い。
   製法などは既に確立されているが、商品の安定性を森田氏は最も気にする。「無我夢中」と閑散期の夏は試作を重ねた。開店して1年。「売りたいパンが売れなかった」ジレンマを経験。手作りのチラシを近所に配ったこともある。今では商品の質も安定し、今まで以上に自信を持って商品を提供できているようだ。

▽主な設備=オーブン1台、ミキサー1台、ドウコン1台、ホイロ1台
▽従業員=製造1人、販売2人

【ブーランジェリー ザクロ】
住所=神奈川県横須賀市ハイランド1-5-2、TEL046-854-5885
営業時間=9時〜21時、定休日=月・火曜

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