ラドリエド ブレジール 東京都世田谷区
30種類超の自家製酵母をブレンド
自家製粉とオーガニックのみ使用

BACK

 

 

オーナーの田中祐次氏

対面式販売/厨房がガラス張りで見える

成城学園前駅と祖師ヶ谷大蔵駅の中間の立地
 

POPには細かい商品説明が

チロルの石臼

プレジール/¥900

 世田谷で2007年に開店した「ラドリエ ド プレジール」は自家製酵母が特徴の店だ。近年、いわゆる天然酵母と世間で呼ばれる市販の酵母や、自家製酵母を使った店は珍しいものではなくっているが、同店では、30種類以上の酵母を1つのパンにつき2〜4種類ブレンドして使用している。

 同店オーナーシェフの田中祐次氏は、開店以前はホテルやレストランでパンを教える講師をしていた。また、99年からパンの宅配も平行して行っていたが、「ハード系も酸っぱくありませんし、口溶けのよい発酵菓子もあってバラエティも豊富。そんな自家製酵母の味をもっと知ってもらいたい」と、07年12月のオープンに至った。
 田中氏はイーストでの製パン法も含め、様々なパンの勉強をしてきた経歴の持ち主だが、「自家製酵母の最大のメリットは『おいしさ』。発酵学的にも、アミノ酸などが醸成され、香りと味のいいパンが出来上がるんです」と、酵母へのこだわりを説明する。
 酵母はルヴァン種、ヨーグルト種、フルーツ種、ビール種をメインに、酒種、ホップ種、小麦粉、全粒粉、ライ麦、胚芽、麦芽、ジャガイモ、カボチャ、ニンジンなどを使用。酵母の元は同じでも、ストレート液種、中種、2回継いだ種、3回継いだ種など、枝分かれするものが10種類ほど生まれる。
 「1つのパンに酵母を2種類から4種類併用しています。甘み、酸味、発酵力、まろやかさなど、それぞれの酵母の特徴を考慮して組み合わせることで、相乗効果が生まれ、深い味わいが作り出せます」と田中氏。例えばパン・ド・ミの酵母はヨーグルト×フルーツ。パンペイザンの酵母はヨーグルト×ルヴァンリキッド×ライサワー。小麦粉や具材、出したい味わいにマッチするものを選んでいる。
 また小麦粉も自家製粉のものをブレンドして使用。オーストリア・チロル地方の「チロルの石臼」で製粉し、ほとんどの商品にブレンドしている。他にブレンドするのは内麦、カナダ、仏産などのオーガニック粉だ。「オーガニックだから盲目的に良いとは思っていません。自分の目で確かめた材料だけを使っています。一般には流通していない材料を使うので、いいものを手に入れるのが大変ですが…」と、田中氏。北海道の農産家と交流を持つなど、食材の安全を見極め、仕入れをしている。
 季節、曜日などで異なるが、常時店頭に並ぶ商品は約30種類。仕込み生地がそれぞれ異なるため、配合やミキシングだけでも、手間と時間がかかるそうだ。
 「定番商品も、お客様にわからない程度の幅で、毎日、少しずつ配合や製法を変え改良を重ねています。新商品を考える時、実は試作はしないんですよ。頭の中で組み立てたものと、実際出来上がるものにブレはありません。酵母、小麦、練りこむ具材など、様々な方向からインスピレーションしてパンを作ります」と、酵母や原材料を熟知しているからこそできる技を、田中氏は難なくこなす。
 同店には惣菜パンや、菓子パンは置いていない。欧風パンが中心で、特に評判なのはハード系。「最初は『あんぱんを置いてほしい』なんて声があるのかと思っていたら、全然ないんですよ」と、驚いたという。世田谷というパン文化が成熟した土地柄もあるようだ。夕食用の需要も高く「ワインを持ってきて『これと合うパンはどれですか』と聞かれることもある」と、田中氏は笑う。近隣にはベーカリーが多いが「気にしたことはない」と、独自の道を往く。
 「とは言え、あんぱんなどを否定するつもりはありません。この店は『自家製自然酵母』がコンセプトですが、全く違う形態の店を別に構えるのも興味深いですね」

▽主な設備=オーブン1台、ミキサー2台、ドウコン1台▽従業員=製造兼販売4名

【ラドリエ ド プレジール】
東京都世田谷区砧8-13-8ジベ成城1F、TEL・FAX03-3416-3341
営業時間=12時〜20時、定休日=月・木曜、URL=www.plaisir1999.com/

前へ戻る

ハーブティで練ったティザーヌ エ フリュイ セック/¥1,600