 リュスティック
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 ゆずと松の実のライ麦パン
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今、注目を浴びている女性ブーランジェがチーフを務める「セ・トレボン」を紹介する。
経営母体である菓子製造販売業のM石村萬盛堂(明治38年創業、石村善悟社長/本社=福岡市博多区)は、「3月14日をホワイトデーとして、バレンタインデーのお返しにマシュマロを贈る」ことを発案した老舗だ。
福岡市街地から車で東に走ること約40分、楠の並木が続く通称「香椎宮参道」沿いに『セ・トレボン』勅使道店はある。休日ともなると、駐車場はマイカー客の出入りで大混雑になってしまうほどの人気ぶりだ。
「セ・トレボン」は2002年に1号店の平尾店がオープンし、その後、浄水店(閉店2008年)を経て、勅使道店は2008年10月、同社が展開する和洋菓子販売店「いしむら」の既存店舗の一部に併設する形でオープンした。この店を任されているのは、平尾店のオープン当初からチーフとして携わっている大西かおりさんだ。
大西さんは年に一度はフランスに渡り、現地のブーランジェリーでの修行や製パン学校の短期講習に参加する研究熱心な女性だ。地元では、若手パン職人仲間で結成した『EFB』(現在メンバー24名)で世話役を務める。先輩職人を招いての講習会や材料メーカーから原材料の話を聴くといった勉強会を年に5〜6回行い、技術の向上を図っている。
また、数々のコンテストにも積極的に挑戦し、今年2月に開催された「2012年クープ・デュ・モンド」代表選手選考会「パン部門」では最終選考まで残った。今、注目される女性ブーランジェリーの一人である。
そんな大西さんだが、大学卒業後は大手食品メーカーに就職し、商品開発に携わるOLだった。転機が訪れたのは20代半ば、同社を退社後、福岡市内の「イルムスベーカリー」の開店にベーカリーチーフとして採用されたことがパンの道を歩む第一歩になるが、そのベーカーリーは、惜しまれながらも僅か3年で閉店。その後、「石村萬盛堂」からの声掛けで、「セ・トレボン」のオープンに携わることになった。
店内は温かみのある内装で、作業場が陳列棚越しにガラス張りになっており、顧客から製造の現場が身近に感じられる造りだ。一日に並ぶパンは約80種類。
商品の配置は、中央のテーブルにハード系のパンを使った売れ筋商品でもあるタルティーヌなどの惣菜系とハード系パン群、左手の棚にはクロワッサンと菓子パン群、奥の棚上段に食パン群、下段にブリオッシュや揚げ物群、右手の冷蔵ケースにはドリンク、サンド類となっている。それぞれのパンに付けられたプライスカードには、大西さんの手書きによるパンの説明が添えられている。
この店の一番の人気は、プチミルクバゲット(168円)、小さいサイズのバゲットにミルククリームをサンドしたもので、一日に約120個を販売する。続いて、タンドレス(389円)、日清製粉 創・食Clubパンレシピコンクール デュエリオ賞を受賞した商品だ。豆腐、ブリーチーズなどがデュラムセモリナ粉入りの生地に練り込まれ、豆の形に仕上げたパンは優しい味わいだ。大きめのサイズでありながらも一日約20個売れる。リュスティック(168円)は、長時間熟成させて小麦粉の旨味を引き出したもので約30〜40個、自家製カレーパン(210円)は約30〜40個、ゆずと松の実のライ麦パン(179円)は16個売れる。
「4月から季節限定の新商品を毎月7〜8品出すことにしました。お客さまに喜んでいただけることはもちろん、製造スタッフの勉強にも繋がります」と大西さん。先月は、さくらもちのような味わいのさくらあんぱん(168円)などを販売したそうだ。
レジ前に置かれ、顧客が自由に手に取ることができる「おいしいパンの通信」も、大西さんが手書きで作っている。月1回のペースで、4月現在で84号まで発行された(発行部数は2000部、各店に1000部ずつ配布)。A4サイズで、新商品の案内、パンに対する思い、スタッフへの感謝の気持ちなどがびっしりと書き綴られ、彼女の人柄が感じられる内容だ。
同誌83号には、クープ・デュ・モンドへの挑戦を終えた後の心境がこう綴られている。「目標に向かって努力する道のりが大切なこと。私はほんとうに成長できた!と感じています。技術面、精神面、多くの経験を積み、毎日毎日たくさんの気付きがあり、一歩一歩ステップアップしていました。今やるべきことを頑張りつつ、新たな目標を探して、また一日一日をより生き生きと過ごしていきたいと思います」。
今回の挑戦で多くの人への感謝の気持ちを抱き、「今度は人に自分が伝えていく番!」そう気付いたという。休日の過ごし方を尋ねると、「新商品のこと、パンのことを考えていることが多いですね」。
「セ・トレボン」、『とても美味しい』という意味合い通りに顧客が感じるパンが、これからも生まれ続けていきそうだ。
平尾店は、7月に7周年を迎える。その時に「パンを楽しむイベント」の企画を予定しているそうだ。
▽アイテム数:約80種類 ※平尾店とはアイテムが若干異なる。
▽売上比率=食パン系8%、ハード系35%、菓子パン系23%、ペストリー系9%、サンド系4%、総菜系21%▽販売形態=店舗販売のみ▽一日の平均売上=平日:約16万円、土・日・祝:約22万円▽平均客単価=約800円▽店舗面積比=パン製造:販売=1:1▽イートインスペース=併設する「いしむら」と共用33席(屋内外)、購入者にコーヒー無料のサービスあり▽駐車場=12台▽オーブン=ボンガード(4枚差し天板×4段)▽ミキサー=関東ミキサー(スパイラル1台、タテ型1台)▽創業年月=平成20年10月▽従業員=製造:7人(内、パート:3人、アルバイト:1人)、販売:4人(アルバイト:4人)▽最寄り駅=JR香椎駅から徒歩15分
【セ・トレボン】(勅使道店)
福岡県福岡市東区香椎1-8-22、TEL092-663-0373、営業時間=9時〜20時、定休日=第三水曜日
HP=http://www.cest-tresbon.com
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