 ドイツ式バゲットは甲州酵母使用
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 新商品の「アイン・カー」
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 様々なカイザー
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山梨県内では珍しい、ドイツパン専門のベーカリー「ヴァルト」。ドイツパンの中でも食事パンに特化した商品構成で、ドイツパン普及を牽引する存在となっている。
同店の開店は2002年4月。店舗拡大のために2006年に移転している。
「以前は百姓をしていました」と代表の渡辺知彦氏は経歴を説明する。しかし、農産物を作るだけではいけないと、渡辺氏は農産加工の道を模索する。そんな時、山梨県内にある『プラテーロ』というベーカリーに誘われたことが、パンとの出会いだ。
同店では楽健寺酵母を使っていた。「りんご、にんじん、長いも、玄米等を使用する酵母なので、農作物を使えると思いました」とプラテーロに入店。
「それまでパンに全く興味はなかったのですが、百姓の前にエンジニアをしていたこともあり、探求心が動いたんです。自分独自のパンを研究したくなりました。でも、店では決まったパンしか作れなかったので、働きながら研究するのでは時間が足りないと思い、リスクを背負ってでも辞めて、自分のパンを作ることにしました」
それからは、働いていたスキー場の厨房を借りたり、工房を借りて農業をしながらパンを作る生活が始まった。これが同店の前身となる、宅配のパン屋「風土」だ。2年間そのような形態を続け「もっと美味しいパンを作るための勉強をしたい」と渡辺氏は考えるようになった。
「以前から環境問題に取り組んでいたこともあり、環境先進国のドイツの国民性に興味を抱いてました」という動機から、ドイツで1年8カ月住み、現地のオーガニックのベーカリーで働くことになった。
「ドイツの、自然体でパンをつくり生活を楽しむ姿勢に共感しました。また、ドイツは栄養をよく考えて、多様な穀物を使ったパンを作っていて、それもよかった。イースターを始めとする祭事に食べられるパンもひと通り学びました」
1年間の修行後、帰国し甲府市内で同店をオープンさせた。当初のポリシーは「ドイツで作られているそのままのパンを作る」こと。最初は500gと1kgのブロートを作っていた。しかし、地元の人はドイツパンを生まれて初めて見る人がほとんどで、「あんぱんないの?」と聞かれることもしばしばあった。堅い食感とサワー種の酸味に拒否反応する人もあったという。
「ただ単に売ってちゃいけない」と渡辺氏は食べ方の提案を含め、理解促進に取り組んだ。
「生地の改良も、何度も行いました。プレッツェルは100回くらいやったかも」と振り返る。
現在は、自家製「ライサワー種」と、自らが山で採ってきた山葡萄とアケビで起こした「甲州酵母」を使用(イースト併用もあり)。サワー種は3回種継ぎをすることで酸味を抑えているそうだ。平日は30種類、週末は50〜60種類ほどの商品が並ぶ。
「毎日の食事に過多な油脂と砂糖は不要、とシンプルで安全なものを提案しています」と渡辺氏。
「今はパンを基点とした、地産地消や地方経済の活性化などに取り組んでいきたい。地元の特産品の具材を挟んだサンドウィッチの提案を考えています。また、おしゃれかつ楽しいパン食をもっと生活の中に入り込ませたい。そこでカッティングボード、バターナイフ、バターケースなど、テーブルウェアを国産材で作り、流通させることに取り組んでいます。身近なところで言えば、店のスペースを使って『ドイツ語講座』や『有機農法』の勉強会など『山梨から世界を知ろう』をテーマにセミナーを行う予定です。店外、店内問わず、様々なものをプロデュースしていきたいですね」
▽主な設備=オーブン2台、ミキサー1台、ホイロ1台
▽店舗面積=30坪
【ヴァルト】
▽住所=山梨県甲府市上石田3-3-15
▽電話=055-230-2161
▽FAX=055-230-2162
▽営業時間=月〜木11時〜17時、金・土10時〜18時
▽定休日=日・祝祭日
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