ラ・バゲット・ド・パリ 兵庫県西宮市
適正な発酵のタイミングと材料で
バランス良く仕上げた生地が美味しいパンを提供

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スタッフ全員。右から2人目が吉川氏

店舗外観

店舗内の様子
 

看板商品であるバゲット4種

人気No.1の食パン

カレーパン

 阪急苦楽園口を降りると、山手に向う緩やかな坂道がのびている。その道をおよそ5分歩くと木立の中の公園と池が穏やかな姿を見せる。
 その向かいにあるのが、今年4月10日に元クープ・デュ・モンド日本代表選手の吉川崇氏が独立しオープンしたばかりの「ラ・バゲット・ド・パリ ヨシカワ」だ。早くも、近隣のパン通が通う店として注目を浴びている。

 オーナーシェフの吉川崇氏は、高校生の時、自宅近くのパン店で店長をしていた母親に、アルバイトで翌日の仕込みをしないかと言われてやり出したのが、パンとの出会いだと言う。
 そこでパンに魅力を感じ、卒業と同時にそのパン店に就職したが、アレルギーなどが出たため約1年で退職。色々な仕事に就いたが、やはりパンの仕事をしたいと思い、24歳でMドンクが展開する「ドミニック・ジュラン」に入社した。
 ドミニック・ジュランに2年、ドンク阿倍野店で6年勤めた後、Mオクノフードサービスの「パン工房麦の花」で、店長として4年半在籍して独立を決心、昨年10月に退職して、半年後の今年4月、同店のオープンに至った。
 その間、2005年4月「2005クープ・デュ・モンド(ベーカリーワールドカップ)」にバゲット及びパンスペシオ担当で日本代表選手として出場、日本チームを3位に導いた。また、同年11月、ル・サッフル社主催の第2回サフコンテストで優勝、2007年6月には、第16回カリフォルニア・レーズンベーカリー新製品開発コンテストで審査員特別賞を受賞するなど、数々の賞に輝いている。
 店の場所を決めた経緯を吉川氏は次のように語る。
 「富田林市出身なので、大阪市内もしくは大阪南部でのオープンを考えていましたが、なかなか気に入った物件が見つかりませんでした。周りの人からは、フランスパンやハード系を売ろうとしているのなら、阪神間の方が受け入れられ易いとも言われていました。そこへ日仏商事の営業の人が、西宮や芦屋でも探してみてはどうかと勧めてくれ、見に来たらここの場所が目に付いたので決めました。
 バゲットが売れる店を目指していますので店名は『ラ・バゲット・ド・パリ ヨシカワ』(故ジャック・タピオ氏のマダムに了解を得て店名を決めた)にしましたが、こだわりのパンをこだわった場所で売りたいと考えている訳ではありません。当然、商売として成り立つパン屋でなければ意味がないと思っています。大勢の人が住んでいる場所で商売をした方が良いのは分かっていますが、大阪でも条件に合う場所は限られてきます。大阪に比べると、人口も車の数も少ないため、少し危惧をしていましたが、駅からの距離や車の止め易さを考えると大差はないように思います」
 この地域の特長は、第一にハード系がよく売れること。吉川氏が過去に、大阪の阿倍野や四天王寺の高級住宅街に近い店で経験した売れ行きとは、格段の差があると言う。次に、客単価が高いこと。パンの単価が高い訳ではなく、少し小さめのサイズにして、その分値段を抑えているが、それでも客単価は、通常の路面店の倍近い千円を超えている。そして、芸能人や著名アスリート、阪神タイガースの選手などが買い物に来ること。  店のコンセプトは『全商品の生地が美味しいこと』。
 「特別な材料を使っているということではなくて、適正な発酵のタイミングと、きちんとした材料でバランスよく仕上げた生地であることです。そのことをお客様に伝える努力をし、今では生地の美味しさは、相当な評価を頂いています。私達の仕事は、生地を美味しく作ることに尽きると思います。その生地で焼いた当店のバゲットは、外は皮が薄くてパリパリ、内はしっとりしています。
 パンを美味しいと感じるのは、人それぞれで、初めから周辺の全ての人が当店のパンを美味しいと感じることはないでしょう。だからこそ、バゲットを毎日多めに焼いて、ドンドン試食で配り、食べてみて美味しいと感じて頂ける人が増えるようにしていこうと思っています。そうすることによって、よく売れるようになるのだと思います」
 吉川氏は、2005年クープ・デュ・モンド出場の前と後では、考え方が随分変わったようだ。それまでは、自分なりのこだわりを持っていたらしいが、帰国後は、細かなこだわりがなくなったという。
 「プロである以上、何かを作れと言われれば、その場で一番ベストなものを最も良い状態で作くらなければいけないし、自分の描いたイメージと違った出来上がりの商品に妥協してしまってはいけない。また、リテイルベーカリーは、どんな商品でもホールセールの商品以上に、お客様に喜びを与えるものを作り続けなければいけない」と言う。  売上構成比順に人気商品は、1位が食パン、2位がカレーパン、3位がバゲットとなる。客層は、40代〜50代の女性が中心。
 最後に、今後の展望を吉川氏は次のように話した。
 「ご飯の代わりにパンを食べてもらうことは非常に難しいと考えます。しかし、料理や食材によってはパンが食べたくなる日もあるので、その時にパンを買う店の選択肢に名が挙がるパン屋になりたいと思って、日頃の努力をしています。
 激戦区とよく言われますが、どこで商売をしても後から店を出されると同じなので、そんなことはあまり気にせず、『自分のパン』を作ることに集中したいと思っています。そして、時代や流行に流されず、きっちりとした商品を提供するパン屋であり続けることです」
▽商品アイテム=約80種類(ハード系20%、ヴィエノワズリー30%、食パン30%、その他20%)
▽敷地面積=売場:10坪、厨房:14坪
▽従業員数=正社員5名
▽主な設備=ミキサー:縦型1台・スパイラル1台、オーブン:4枚差4段1台(コトブキ)、ドウコン・ホイロ:各1機

【La Baguette de Paris YOSHIKAWA/ラ・バゲット・ド・パリ ヨシカワ】
〒662-0084西宮市樋之池町3-6
▽電話・FAX=0798-720770
▽定休日=火曜日
▽最寄駅=阪急甲陽線苦楽園口下車、西へ徒歩5分

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クロワッサン

ヴィエノワズリー類