神戸屋レザンジュたまプラーザテラス店
横浜市青葉区
TRM製法で新業態を確立
スクラッチながら、短時間労働の定着を目指す

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竹内一啓店長

神戸屋レザンジュの籏

ユニフォーム
 

店舗外観

店舗内全景。奥がイートインコーナー

店舗内レジ付近の様子
 

パン ド セイグルと料理提案のプライスカード

シーフード中心のサンドイッチ

 M神戸屋レストラン(桐山健一社長)は10月22日、横浜市青葉区にある「たまプラーザテラスゲートプラザ」1Fに『神戸屋レザンジュたまプラーザテラス店』をオープンした。同店は、一昨年12月にオープンした『神戸屋フォーニル成城店』の形態を基礎に、日本人が好むシーフードに合うパンを試行錯誤し、新製法トラディショナル・リバー・メゾット(TRM製法)を確立した新業態展開の第1号店だ。

 神戸屋レザンジュたまプラーザテラス店は、たまプラーザ駅周辺開発計画の一環として、71店舗の専門店を集積した新商業施設「たまプラーザ テラス ゲートプラザ(2期)」の開業と同時にオープンした。たまプラーザ駅東改札口の正面とあって、言うまでもなく駅を利用する客が中心となるが、朝は勤め先へ向かう人、昼になると近隣のベビーカーを押したニューファミリーの主婦、そして、夕方以降は帰宅途上の住民と、日に3度の波が訪れる。
 M神戸屋レストラン関東事業部部長の山崎利伸氏は、「事前調査でのターゲットは、ほぼ予測通りです」と述べる。
 およそ2年前、成城にオープンした「フォーニル」で、今後の少子高齢化時代に先駆け、畜肉系だけではなく、シーフードも含めた食文化にどのようなパンが合うのかを試行錯誤した結果、たまプラーザテラスで本格的な「レザンジュ ドゥ フォーニル」という業態での出店に至った。
 山崎氏は、同店のコンセプトを次のように語る。
 「フォーニル成城店は、弊社にとってアンテナショップとしてスタートしました。TRM製法でパンを作っている業態をフォーニルと呼び、当初は南仏で食べられているものをそのまま商品化していましたが、南仏やイタリアを含めた地中海沿岸の食嗜好を採り入れながら、日本人の食生活に合うパンを追求した業態を『レザンジュ ドゥ フォーニル』と位置付けています。南仏の人は、好んで牡蠣、雲丹、ムール貝などの魚介類を生で食べていますので、日本人とよく似ています。決して、ハムや肉に合わない訳ではなく、両方に合うパンを志向していきたいと思っているのです。今後弊社は、『神戸屋キッチン』と『神戸屋レザンジュ』の二本立てで、拡大展開を図りたいと考えています」
 TRM製法とは、ルヴァン種を用いた前日仕込みの冷蔵発酵生地でパンを作る製法のこと。水和させ、ゆっくり発酵させることにより、香りに加えて鼻に抜ける風味が出る。同店の商品は、総てTRM製法で作られているため、7時の開店時間には殆どの商品が出揃う。朝食用に焼き立てのパンが食べたいという潜在需要は高く、これまで対応できていなかった面を克服した。
 「早朝にパンが出ないのは、スクラッチ業態の弱みです。冷蔵にすることによって、ある程度タイムリーにどの時間帯でも焼き立てパンが出せるという強みができました」と山崎氏。一日の焼成は、同種類最低4回。パンの売れ行きに合わせて焼成回数を増やしている。
 同店では、食事パン系の購買を拡大するため次のような取り組みをしている。
 「一番売れて欲しいのは食事パンですから『こんな料理がこのパンに合います』という提案を写真入のプライスカードで紹介しています。四季ごとに旬の食材を取り入れた料理の提案です。弊社はサンドイッチに力を入れていますので、定番のハム、ツナ、たまご以外にサーモン、小エビ、オイルサーディン、しらす、カボチャなど、季節に応じた素材に合うパンの提案もしています。田園都市線沿線は、富裕層が多く需要が高いと言われていますが、海外で生活して喫食経験があるとないとでは、食事パンに対する関心度が違います」
 売れ筋商品について店長の竹内一啓氏は次のように話す。
 「食事パン系では、オーソドックスなイギリスパンがよく売れています。少量を買ってもらうためにスライスも販売していますので、お客様の購買意欲は確実に上がっています。また、アルチザン系のライ麦を使ったパン ド セイグルやチャバタ、トゥルト、全粒粉のバタールなど試食をしてもらっていますので、徐々に認知度が高くなっています。菓子パン系では、クロワッサン、パン オ ショコラ、メロンパンに人気があります」
 売上構成比は、食事パン系の健闘は見られるものの、今のところ菓子パン系の比率が高いと言う。しかし、周辺に住むニューファミリーに対して、同店のコンセプトが浸透し、夕食用の食事パンが売れるようになれば、逆転の可能性は高い。
 レザンジュ ドゥ フォーニルとは、パン屋の天使という意味。一家の人気者でチャキチャキの看板娘をイメージした「神戸屋レザンジュの旗」やそんな娘にふさわしいユニフォームも新業態に合わせて新調し、総てをパンに合わせている。
 店舗内のレイアウトは、事前調査でベビーカーを押した主婦が多いという結果から、少しでも買い物がし易いように設計されており、客視線の配慮が行き届いている。
 新業態の進む方向性は、フランスの週35時間労働制をスクラッチで実現することにあるという。
 山崎氏は、「スクラッチにこだわりながら、業態として短時間労働を定着させようと辿り着いたのがTRM製法です。また、少子高齢化を意識して生き残れる業態を構築するために、シーフード系に合うパンを目指していこうと考えています」と述べた。
 竹内店長は、今後の展望を次のように語る。
 「当店のオープンを喜んでおられるお客様が多いようですので、そのお客様が何度も利用いただき、買ってもらえるような商品を取り揃え続けたいと思っています。そして、地域の輪を拡大し、たまプラーザ テラスになくてはならない存在になりたいと考えています」
 たまプラーザ テラス ゲートプラザは、10月22日に第2期工事が完了開業したが、来年には、第3期工事の完成と共に、たまプラーザ駅周辺開発も完成を迎える。そうなれば、今以上に人・モノの流れが良くなり、相乗効果が期待できる。同店は、基本製法で他店舗と差別化していることから、総ての商品が「ここでしか買えないもの」であるため、オンリーワンの地位を堅持することは間違いなさそうだ。
▽商品構成=食事パン20%、デニッシュ系30%、スイート系30%、サンドイッチ20%
▽店舗面積=売場(イーインコーナー19席含む)約25坪、厨房約20坪
▽従業員=正社員8名、パート・アルバイト35名
▽主な設備=ミキサー2台、オーブン2台、ホイロ機、リターダ、フリーザー、ルヴァン種機等

【神戸屋レザンジュたまプラーザテラス店】
〒225-0002神奈川県横浜市青葉区美しが丘1-1-2(東急田園都市線たまプラーザ駅、東改札口正面)
▽営業時間=7時〜22時30分
▽年中無休
▽TEL045-905-0754

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