 カフェスペースの壁には小倉氏の師匠である福田元吉氏の写真が飾られてある
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 石臼挽きクロワッサン
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 ライ麦入りのパン
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Mウィルベンが運営する東京都立川市若葉ケヤキモール内にある「ベーカリーカフェ ムッシュ イワン」は、今年3月15日に4周年を迎えた。話題性作りと周辺にないスタイルや技術力で毎年3〜5%の成長を遂げている。
MウィルベンはOA機器関係の卸問屋をしている経営責任者と最高執行役員の小倉孝樹氏が共同で経営をしている。同社では、同店の他、「トラディショナルブレッドポラリス」など4店舗のベーカリーを展開している。
「府中市でルヴァンドゥールというベーカリーを任されていた時に、この場所でベーカリーをやってくれないかとオファを受け、共同経営者と共に『ムッシュ イワン』をオープンしました。会社を立ち上げるのですから、社員に対して福利厚生も何もないというのは避けたかったので、かなり無理をしました。売上は、当初に予定していた半分くらいしかなく、非常に厳しい状況でした」と小倉氏は開店当時を振り返る。
しかし、そのような逆境だからこそ、本領が発揮でき、現在の安定的な店舗運営に繋がったと言う。
同店は、アドマチック天国というテレビ番組で2位になったことから、当時は爆発的にパンが売れたが、美味しいパンを作ることと、地域の人達がそれを受け入れるかは別の問題で、地域に合った愛されるパンを作り続けなければいけないと小倉氏は考えている。
オープン時には、総ての商品を立派な対面ケースに並べていたが、顧客から買い難いと指摘され、断腸の思いでセルフ方式に切り替えた。冷静に人員配置や客単価から考えてみても、大型個人店での対面販売の難しさを思い知らされたと言う。
店名は、小倉氏の師匠である「ホテルパンの父」と言われた福田元吉氏が、共にホテルパン製法を確立したイワン・サゴヤン氏から由来している。本来、師匠の名をもらい「ムッシュ フクダ」とするところだが、小倉氏の店が「福田」ではおかしいので、福田氏の魂の中に入っている「イワン」を店名とした。
ホテルパン製法とは、「一言で表現すると『香り』である。パンの香りを作り上げるためにどれくらいの努力をするかに尽きる」と福田氏が語っていたと言う。「ムッシュ イワン」は、総ての商品で、師匠福田元吉氏が確立したホテルパン製法が継承されている。
また、ポラリスとの展開の違いは、全店でホテルパン製法のパンを作っていても、福田氏の写真を飾っている店は、「ムッシュ イワン」だけで、他の店舗とは差別化しているため、異なる店舗名で展開している。今後も、「ムッシュ イワン」は同店以外には展開しない。
店舗の運営をする上で、大切にしていることを小倉氏は次のように話す。
「従業員との絆を大切にしたいと思っています。どんなに会社が大きくなっても、人間関係が希薄になって欲しくないということです。愛社精神というような言葉ではなく、会社に属している誇りを持って欲しいと強く思っています。私が、そのように思っているので、離職率も今のところ低く、労働条件も他社と比較するとかなり良いと思っています。我慢が辛さになると良いものができなくなってしまうと考えているからです。『12時間労働』『完全週休2日制』『夏休み1週間』といったことを達成するためには、人を増やすのではなく、労働集約させ、従業員一人ひとりのスキルを向上させることに全員で取り組まなければなりません」
社内ではケチケチでコストを削減し、「Man of the year」「Woman of the year」を2名ずつ程度表彰してフランス研修を実施し、見聞を広げることを計画している。
単に給料をもらい、技術を覚えるだけではなく、お互いが褒め讃え合ったり、皆が支え合い、褒める比率を増やしたいと考えている。
また、従業員教育について小倉氏は、「パンは美味しいのが当たり前ですが、それに胡坐をかいていてはいけません。美味しいことに加えて、接客や接遇を重視しなければいけないと考えています。いつもニコニコしていて、商品知識のある人を店に置き、美味しくてまじめに作ったパンを提供できる会社でなければなりません」と語る。
同店の客層は年配者が多く、パンを見てイメージできないものは買ってくれない。今までに経験したことのないものは、売れないので、オープン後1年以上は、総ての商品を試食できるようにした。その結果、客がイメージできる商品が拡大し、菓子パン的な要素のパンから食事パンやシンプルなパンに2割程度が移行した。それが固定客の獲得に繋がったと言う。パンのネーミングでも、自己満足によって自分の首を絞めるようなことはせず、分かり易く覚え易いを基本に、商売の相手を明確にしている。
プライスカードは、暖かみのある手書き文字とイラストで商品が説明されており、店舗内に置いてあるリーフレットも手書きで、クロワッサンショコラ、ごまケーキ、いちごのミルフィーユなどが紹介されていた。
3月31日には、ウエスト ポラリス今寺店をオープン。地元で30店舗を展開するスーパーマーケットの一角で、グレードの高い店に仕上げ、路面店のように美味しく、昔ながらのパンを提供している。ポラリスの拡大は、「ムッシュ イワン」にとっても相乗効果となり、より強固な経営基盤となることは間違いなさそうだ。
▽店舗面積=売場約25坪、厨房約35坪
▽駐車場=若葉ケヤキモール施設内に300台
▽従業員=正社員10名
▽主な設備=ミキサー2台、オーブン2台、ドゥコン4台、ホイロ1台等
▽年商=約1.2億円
▽客単価=約900円
【ベーカリーカフェ ムッシュ イワン】
〒190-0001東京都立川市若葉町1-7-1(JR中央線立川駅下車立川バス15分または、西武拝島線東大和市駅下車立川バス8分、砂川九番バス停すぐ)
▽休日=年中無休
▽営業時間=平日:10時〜20時、土日祝:9時〜20時
▽電話042-538-7233/FAX042-537-5231
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