 チョコクロワッサン、チョコヘーゼルナッツ、金箔付きの高級チョコの3種類
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 店舗外観
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 店内の様子
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パンやペイストリー、焼き菓子は生粋のフレンチと自負しながらも、カフェメニューはアメリカ人の好みに合わせ、会社用のケータリング業も始めたばかり。
ラ・ブランジェ・ベーカリーは、サンフランシスコを中心に、支店を次々と増やしているベーカリーだ。フランスでベーカーの修行をしたパスカル・リゴ氏は、ロサンゼルスでベーカリーを数年経営後、サンフランシスコへ引越し、2軒のレストランでの勤務を経て、卸専門ベーカリーを始めた。今回取材した最初の店舗を開店したのは1999年だ。
現在、リゴ氏は製造と卸し業務担当で、2003年にコ・オーナーとなったトーマス・レフォート氏が、リテイルと経理・運営を担当している。2003年まで3店舗だったが、その後、8店舗増え、今年は更に3店オープンする予定で、その上、1月からはケータリングも始めたばかりと、波に乗っているのはレフォート氏の貢献が大きいからだ。
「雑誌印刷の仕事をしていた時からパスカルとは友達で、何か一緒にしようと話していたので、会社を新しいレベルに育てるために、経営のパートナーになりました」とレフォート氏。
ジャパンタウンにも近いサンフランシスコの一角にある本店は、コバルトブルーの外壁が印象的だ。店自体は小さいが、カントリーフレンチ風の暖かさがある。奥行きが深く、左手にある長いディスプレイにずらっと商品が並ぶ。10種類並ぶマカロンは壮観。シャンティクリームを挟んだ揚げブリオッシュも洗練された揚げドーナツのようだ。キッシュにもタルトにもフランスらしくゴートチーズを多用しているのがおもしろい。生粋のフレンチベーカリーと自ら言うだけあって、他のベーカリーでは見られない商品もある。例えば、キャノレ・ド・ボルドーは、蜜蝋を塗った型でカスタードを焼いたもので、外はカリッと中はしっとりしている。見た目は地味だが、このベーカリーの目玉商品だ。
「マカロンは今ではアメリカの多くのベーカリーで作られていますが、私たちが最初に始めました。いわゆる3段重ねのケーキはなく、伝統的なフランスのレシピで、ベーカリーならではのフルーツタルトやフランなどを作っています」
11店舗のうち、本店は特別な存在で、カフェがなく、今もパンを焼き続けているのは、この店だけだ。現在は、サンフランシスコの南にある1124坪の工場で、ペイストリー製造、調理、卸し業務をしている。
リテイルと卸しの売上はほぼ同じで、バランスを取るようにしているそうだ。どちらかの売上が落ちても、もう半分で持ち応えることができ、互いに相乗効果もある。全従業人数は約400人で、工場の従業員は180人だ。2006年に初めてサンフランシスコ以外で支店を出したのが、転機のひとつだった、とレフォード氏は語る。
「それまで、サンフランシスコ市民の好みを熟知して、歩くことの多い地域に計9店をオープンしていきましたので、『フランス風ベーカリーカフェ』のコンセプトがサンフランシスコでうまくいくことはわかっていました。しかし、車で20分ほどの郊外のショッピングモールの中に開店するのは、雰囲気の良い小さなモールではありましたが、大きな賭けでした」
結果的には、開店後すぐに軌道に乗ったので、サンフランシスコから1時間ほど車で北上したノバート市にも支店を作ったという。
「郊外に進出する時、敢えてサンフランシスコでのコンセプトをそのまま導入しましたが、難しかったのは、サンフランシスコにある古いビクトリア様式の建物の暖かく居心地の良い雰囲気を、新しくできたショッピングセンターに複製することでした。店の見た目と雰囲気が、フランス風になるように細心の注意を払いました」
この最新の店舗もコバルトブルーの扉で、ラスティックな木のテーブルやカウンター、かわいい飾り付けや食器などから、心地よい暖かさが感じられる。ベーカリーというよりは、ゆったりした空間のカジュアルレストランで、店内と外にあるテーブルで、コーヒーとサンドイッチやサラダなどを食べたり、ペイストリー片手に新聞を読んだり、話し込んだりしている人で賑わっていた。カウンターでオーダーするため、ウェイトレスのサービスがなく、サービスは比較的早いので、勤めている人も気軽に利用できる。
ランチメニューは新鮮で高品質な食材を使ったシンプルなもので、こちらは生粋のフランス料理というわけではなく、適度にアメリカナイズされている。
「オープンサンドイッチやゴートチーズサラダはフレンチですが、ツナメルトやシーザーサラダなどアメリカ的なものもあります。心の片隅にそういうものを入れたくない気持ちもありますが、アメリカにいるので、適応しなければいけません。お客様に気持ちよく来て、楽しんでいただくのが最優先です」
マカロニ&チーズというアメリカ的なメニューにトリフオイルをかけたり、BLT(ベーコン・レタス・トマト)サンドイッチにもチバタブレッド、ゴートチーズ、アイオリソースを使って、フランス風にしている。ビネグレットやソースも自家製だ。
最新ニュースは、今年1月から会社などを対象にケータリングを始めたことだ。金融街に店を出した際、かなりの数のケータリングのリクエストを受けたためだが、成功しそうだと思うパッケージを作り上げるまでにはかなりの時間がかかった。
結果、既存の商品の中からサンドイッチ、オードブル、サラダ、カナッペ、デザートなどを提供し、電話かインターネットで注文を受けるようにした。支店では、問合せを受けたら、電話番号かホームページを伝えるだけで良いので、通常業務の妨げにならない。電話受付係やトラックなどを購入するだけで始められるので、新たな投資は少ない上、注文分だけ作れば良いので、リテイルのように無駄もないのが利点だ。
全店に毎日5千人もの客が出入りするので、支店に看板を出し、コーヒーの紙コップに宣伝文句を入れ、メニューを置くだけでかなりの宣伝になる。ケータリングコーディネーターを雇い、直接会社に売り込んだりもしている。
リテイルでは今後も、片道約1時間でパンを配達できる範囲で、支店を作っていく予定だ。既にレストランやホテル、食料品店にパンを卸している地域が候補に挙がっている。
「サンフランシスコ・ベイエリアで25〜30支店ぐらいまで可能だと思います。その後、全米の大都市に進出も考えられます。全米を視野に入れたら、私たちの規模はまだまだ小さいです」
腕の良いベーカーのオーナーが、経営に長けたパートナーと組んで、これからどれだけ飛躍していくのか楽しみだ。
(取材・文・写真/田原知代子)
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