ぽるとがる 鳥取県鳥取市
107年の歴史が語る伝統の味
利益の拡大より、地元に愛されることを優先

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定番のサンドイッチ

湖山店の店内。奥がフリースペース

湖山店スタッフのみなさん
 

特製の鳥取和牛を使ったカレーパン

シャミネ店の外観

シャミネ店の外観

 明治36年創業のP亀井堂(地原忠実社長)は、107年の歴史を持つ老舗で、鳥取市内に3店舗のリテイルベーカリー「ぽるとがる」を運営するだけでなく、鳥取県東部地区の学校給食パン・米飯、病院、老人健康保険施設、スーパーマーケットなどに供給する総合食品メーカーだ。

 地原氏は、同社の事業展開を次のように述べる。
 「『ぽるとがる』は、鳥取駅名店街シャミネ内のシャミネ店とサンマート湖山店内の湖山店、それに本社工場敷地内のブランドアウトレットの3店舗です。
 店名の由来は、ポルトガル人が日本に文化を伝えたように、お客様に食文化(パン文化)を伝え、伝統的な良さを生かして、現代の人々に合ったパンを提供するため『ぽるとがる』と名付けました。
 学校給食パンは、鳥取県東部で約60%(1万1千食)、米飯は約86%(1万4千食)を占めています。他に病院や老人健康保険施設などの業務用、宅配などがあります。
 売上構成比は、店舗販売22%、学校給食パン8%、学校給食米飯35%、病院・老健19%、宅配その他6%、米粉製品5%です。学校給食の売上比率が約半分と高いため、会社としては安定していますが、理想は、学校給食の額を変えずに割合が1/3くらいになり、店舗と業務用の売上が拡大することです」
 同社の定番商品は、『亀井堂のサンドイッチ』。昭和27年以前から販売していることは間違いないが、明確な販売開始時は定かではない。食パンにピーナッツバターと苺ジャムをサンドしたもので、耳が付いたまま袋詰めされている。製法や材料は発売当初からほとんど変わっておらず、パッケージのデザインも維持している。90歳以上の老婦人が女学生の頃に食べたことがあるという歴史的な逸品。「ランチパックの源流だ」と地原氏は語る。
 新製品は、フィリングメーカーの提案レシピを参考にしたり、独自の市場調査から顧客のニーズを引き出し、それに合った製品を定期的に開発している。
 「卸のパンは品質が決まっていたり、病院等の業務用では、新製品提案の機会が少なく、『ぽるとがる』のような取組ができず、思うように力が発揮できないことが残念です。
 鳥取市周辺では、最近、NPO法人のベーカリーが急増しており、ハンディキャップを持った人がパンを作って、店舗販売と移動販売を行っています。マスコミにも取り上げられ、助成金も出るとあって、制度を活用する異業者の参入が目立っています。社会貢献という意味で大切な取組ですが、ベーカリーの競争相手も変化していることを実感しています」と地原氏。
 将来の展望について地原氏は次のように述べた。  「他店舗展開は考えていません。売上や利益を拡大することよりも、地元の人に可愛がってもらいたいという気持ちが優先しています。お客様に喜んでもらえることが第一です。しかし、お客様に喜んでいただくためには会社を維持しなければなりません。そのために、今後は、様々な企業や団体とコラボレーションし、県や農林水産省の応援を活用しようと思っています。
 その中で、高速道路のサービスエリアで土産物として販売する『ゆうきの舞い』という米粉を使用したバターケーキ『因幡の恵み』は、弊社の目玉商品として期待をしています。洋菓子の製法と同じで薄力粉を米粉に変えただけで、食感も全く変わりません。生産体制が整い次第、今冬にも発売記念行事を開催したいと考えています。


【ぽるとがる湖山店】  スーパーマーケットのインストア。店舗の隣にはフリースペースがありイートインが可能。製品は大半が本社からの持込みだが、一部は店内で焼成している。菓子パンを中心とした商品構成で、一番人気は、特製の鳥取和牛を使ったカレーパン。生地に鳥取県産の米粉を10%配合している。テーブルロールやおやきは、小麦粉を使用せず、グルテン20%と米粉だけで製品にしている。また、他でフランスパンを焼いている店が少ないため、比較的ハード系が売れている。
 ここ数年の間周辺には小さな個人店が増え、1kmほど離れたところにあるイオンには、インストアベーカリーがある。隣接した地域には、100円パンの店も存在し、人口約20万人の鳥取市では、激戦区と言える。
▽従業員数=製造2.5人/販売4.5人
▽アイテム数=50
鳥取市湖山町東2丁目133
▽営業時間=9時〜22時

【ぽるとがるシャミネ店】
 鳥取駅名店街シャミネ内のインストア。パン・洋菓子の販売とカフェを併設している。大半は本社工場からの持込で、一部、店内で焼成、揚げを行っている。
 元はJR西日本の子会社の経営だったが、技術不足で撤退。高いパン製造の能力を持つ同社の「ぽるとがる」ブランドが引き継いだ。鳥取和牛を使ったカレーパンは、湖山店と異なり食パン系の生地を使用している。同店舗でしか買えないパンは、食パンをカットしてカスタードクリームを挟み、ビス生地を載せて焼成したパン。ハード系はあまり売れない。JRやバスを利用する客が多く、カフェのみの利用客はほとんどないという。
▽従業員数=8人
▽アイテム数=60
鳥取市東品治町111-1
▽営業時間=7時〜21時

【ぽるとがるアウトレット】
 同社本社工場の駐車場正面にあり、工場直送の焼きたてパンや、アウトレット商品を販売している。少々形のよくないものもあるが、その分値段が安い。10時の開店前から店の前に車が並ぶ。将来は、店舗を拡張充実し、カフェ併設店の計画もある。
▽従業員数=1人
▽アイテム数=50
鳥取市徳尾122番地
▽営業時間=10時〜14時

【本社工場】
▽パン製造ライン=ミキシング、発酵、成型、ホイロ、トンネルオーブン(Fujisawa製)、仕分け、出荷
▽炊飯ライン=炊飯、むらし、攪拌、盛り付け、出荷(ガス式自動炊飯・炊飯能力560kg/h)
▽敷地面積=1,800坪(内工場1,000坪)
鳥取市徳尾122番地

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シャミネ店スタッフのみなさん

ぽるとがるアウトレット

パン製造ライン