クロエズ・フレンチカフェ〈カリフォルニア〉
カジュアルなランチを手早く食べられる
その土地ならではのニッチ市場を開拓した

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オーナーのアレン・ピザンさん(左)とレネ・ピザンさん

表のテラス。裏のテラスも合わせて70席

フランスからやってきたデリバリートラック「クロエ」
 

店内の様子。

プチフール。ミルフィーユ、レモンタルト、エクレア、フルーツタルト、オペラケーキの詰め合わせ。

チョコレート・フロンダント、フランジパン、パルミエ、チェリー&チョコマフィンなど。

 ケータリングから始めた「クロエズ・フレンチカフェ」は、ランチ、ディナー共に盛況で、着実に毎年事業を広げていっている。

 カリフォルニア州サンタローザ市に、隠れ家的なベーカリーカフェがあり、人気を呼んでいる。駐車場からカフェの案内板を辿っていくと、診療所の集まった建物の奥に「クロエズ・フレンチカフェ」の緑豊かなテラスが見えてくる。
 オーナーでペイストリーシェフのアレン・ピザンさんにベーカリーカフェの成り立ちを聞くと、わかりにくい立地にも納得がいく。
 「15年間オハイオ州クリーブランドで大きなカフェを経営してきましたが、少し変化がほしいと思い、4年前にカリフォルニアに引っ越してきました。当時は、ワイナリーなどへのケータリングだけをする予定だったのですが、1年後、キッチンを借りていた建物に診察所のオフィスが入り、従業員のためにカフェをオープンしてほしいと頼まれたので、また忙しくなってしまいました(笑)」。
 新聞などに良い批評が掲載され、今では外部からの顧客が75%を占める。ワイナリーが多いこの地域には、高級レストランやファーストフード店はあるが、手軽におしゃれなランチを食べられるカフェはほとんどなかったのだ。
 祖父も父もベーカーという家系のアレンさんは、幼少の頃から家業のカフェを手伝い、16歳から正式に働き始めた実力派だ。渡米後19年の間に、父親から受け継いだレシピであらゆるペイストリーやケーキを作り、その中で、アメリカ人の好みを探っていった。ラム酒入りブリオッシュや、ジャム入りタルトはドライだからか気に入られず、シンプルなミルフィーユ、エクレア、フルーツタルトや、クリームのたっぷり入ったペイストリーが好まれることがわかった。パルミエも砂糖でコーティングしてあるので人気だ。「セント・トロペズ」はカスタードクリーム入りブリオッシュ生地で、アレンさんの出身地名が付いている。10種類のケーキの内、2〜3種類が定番で、チョコレートムースなどは日替わり。プチフルも1ダースずつ買える。
 パンは、特別な設備が必要ないフォカッチャだけを時々作っている程度だ。今後は、キッチンを広げ、他のフレンチブレッドも作っていきたいそうだ。
 ペイストリーでは、カスタードの上にアプリコットやりんごを載せたギャレット、チョコレートクロワッサン、スコーン、チョコレート・フロンダントが人気商品だ。チョコレート・フロンダントは、ブラウニーのような生地に、ガナッシュがかけられ、中にさくらんぼが入っている。クランベリーとオレンジ入りのスコーンは、ホワイトチョコのアイシングがかかっているのが珍しい。フランジパン(アーモンドクリーム入りパイ)は控えめな甘さで、食べごたえがある大きさだ。他にもアーモンドクロワッサンなど全部で10〜12種類を販売している。
 カフェメニューは、アランさんの夫人レネ・ピザンさんが担当。
 「クレープなどのシンプル、ファースト、クォリティな食事を提供しているので、昼休みにおいしいフレンチのランチを手早く食べていただけます」
 メニューには鴨肉のコンフィや、クレープ、クロックムッシュなどから、地元産のチーズや七面鳥などを挟んだサンドウィッチ、ベジタリアン向けのメディトレニアン・サンドまで揃い、6.95ドルから11.95ドルでいただける。日替わりスープや、付け合せの胡瓜のピクルスも上品な味だ。
 コーヒー豆は、クリーブランドの自社焙煎所で焙煎し、毎週送ってくる厳選品。接客を担当しているアレンさんの兄、マークさんはワインの専門家なので、ワインを飲むこともできる。
 60席の店内は、茶色とクリーム色を基調としたフレンチシックなインテリア。カフェのロゴにもなっている、アレンさんの両親がフランスのカフェで使っていたデリバリートラック「クロエ」をモチーフにした絵画が飾られている。車本体は、わざわざフランスから輸送し、大きな駐車場の一角に駐車され、良い広告塔になっている。
 2年前にオープンした60席のパーティルームでのディナーの予約は、夏季の金曜日は全て詰まっている状態だ。今秋には、予約制で誰でも参加できる、月に一度のディナーパーティを再開するそうだ。こうしたイベントや新製品のお知らせは、4千人もの読者がいるネットのニュースレターで告知すると、すぐに満員御礼となる。
 現在、フルタイム・パートタイムを合わせてキッチンに7人、接客に11人、計18人を雇っているが、今後はキッチンを広げ、従業員を増やしていく予定だ。ケータリングの割合を減らし、カフェでの仕事を任せて、来年にはダウンタウンに第2店としてペイストリーショップをオープンする。
 「3年前にカフェをオープンした時には、こんなにお客様が入るとは思っていなかったので、驚きました。私はチョコレート職人でもあるので、来年にはチョコレートを含めたフルラインのペイストリーを提供したいのです。コーヒー豆焙煎所もこちらに引っ越すかもしれません。一歩一歩進んでいきたいと思います」
(取材・文・写真/田原知代子)

【クロエズ・フレンチカフェ】
住所:3883 Airway Drive, Suite 145, Santa Rosa, CA 95403
TEL:(707)528-3095

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メディトレニアン・サンド。ピクルス付き。

ソノマアーティサン・サンド。サラダ付き。