ブーランジュリー Kヨコヤマ 埼玉県川口市
開業から6年目、三期のリニューアル計画が完了
上質なパンを求めやすい価格で

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店舗外観

テラスにあるパンの説明

店舗内の様子
 

新設備で作業をする厨房内

スウィートクロワッサン

 ブーランジュリーKヨコヤマ(MK・YOKOYAMA/横山暁之介社長)は昨年末、独立開業時に計画した、三期に亘るリニューアルを完了した。客の認知度を高める外観整備に始まり、生地本来の味を知ってもらうために商品を常時入れ替え、更に高レベル商品の提供と従業員の技術力向上を目指しハード面の充実を図った。

 横山氏は、リニューアル計画の経緯を次のように語った。
 「私は、50歳で独立しましたので、3年くらいを目途に体制を確立しなければ、厳しいと考えていました。最近、多くの若い人が独立されますが、店には最低10人ほどの従業員がいて競争しながら、年間1億円程度の売上ができる規模でなければ、継続した経営は厳しいと思っています。
 オープン時、店舗は必要最低限、設備はほぼ中古でした。最初に着手したのは見た目(外観)で、テラスや造園など資金をあまり投じず来店されるお客様から見て趣があるようにしました。お客様には、店内の機械や設備は関係ありませんから。次に手を加えたのは商品で、今後も継続し続けます。そして、更に高いレベルを目指すためにはハード面を充実することが必要不可欠ですので、今回は、床が大理石の特注窯などの最新設備を導入しました。
 従来からもフランスパンはよく売れるのですが、更に焼きたてを提供するためには、窯が最も重要です。新窯の導入後は、1日10回以上焼成して常に焼きたてを店に出しています。また、ドウコンとホイロを最新式にし、大型のリターダー3台、種専用機を含めて冷蔵庫4台、ドイツ式の2袋用ミキサー1台を併せて導入しました。
 新規開業する時は、最初に述べた範囲でオープンするしかありません。資金に余裕が出た時に、自分の会社や店に何が必要かを考えながらハード面を整備することが大切です。最初は人も育っていないので、良い設備を入れても従業員には分かりません」
 商品の入れ替えは、継続して行われており、食事系パンの比率が5割を超えているという。
 「ベースのブレッドだけで5種類、バラエティを加えると合計8種類で、一日約150本を製造し販売しています。ベーカリーは基本的に食事パンが売れなければいけないと考えています。ブレッドは従来からあるスペイン式の石窯で焼いています。通常の窯の60%の時間で焼き上がりますから、生産効率も良く、周りが香ばしく、中がしっとりしたパンに仕上がります。全てのパンに種を配合し、添加物や改良剤は使用していません」
 また、人材教育に対する基本的な考え方を次のように述べた。
 「フランスで実技経験のある研修生が当店に来ると、日本のベーカリーでありながらフランスのようだと何人にも言われています。先日もヨーロッパの人が来店した時、日本のベーカリーだとは思えないと言って帰りました。それは、ベースになるフランスパンやクロワッサンなどの製法は、全て日本式ではないからです。しかし、それだけの店にすると敷居が高くなりますので、あんパンやクリームパン、メロンパンなどもあって、誰でもが来てもらえるようにと考えています。
 開店して6年しか経過しておらず、発展途上の段階ですので、将来像を描きながら店舗経営をしなければなりません。従業員の数も20人になりましたので、過去5年間は、少々乱暴なやり方でしたが、今後の5年間は、独立開業する人もいれば、学校の紹介で入社してくる人もいますので、預かる責任が生じてくると思っています。そのため、ハード面の充実が大切になってきます。人はすぐには育ちません。計画を立てて教育をしなければならないと思います。計画通りには進まないものですが、計画すらなければ、その日暮らしになってしまいます。
 学校を卒業したての人材教育は、職業訓練だと考えています。漠然と技術を覚えるだけではなく、プロとしてひとつの『型』を身に付けなければいけませんので、当店では『種』『ヨーロッパの伝統製法』『冷蔵発酵』『長時間発酵』『多加水製法』などを習得できるようにしています。
 また、コンテストなどを通じて、ひとつ一つのパン生地が外部から評価されています。コンテストには、特別なものは作らず、店で販売している商品を出品しますので、働く者にとっては、一生の財産となる技術が学べると自負しています」
   MK・YOKOYAMAの労働規約には、次の内容が明記されている(一部抜粋)。
▽習得可能な能力及び支援
@1年〜5年迄
A5年目以降、5年間
B5年目以降、本人の進路希望により可能な支援
▽社外研修制度
プロを対象としたベーカリーコンテスト参加、検定受講支援など
▽勤務内容の目的
ベーカリー製造販売のプロとしての職能を習得すると共に、社会性を身に付け学校卒業後の職業訓練を目的とする。
 横山氏は、現在の取り組みを次のように話した。
「今は、ブランド作りを意識しています。ベーカリーとして、目新しいものや特別な材料などではなくて『普通のパンが、あの店に行けばおいしい』というブランドで、ひとつ一つの商品を大切にしたいきたいと思っています。例えば、よく売れているホップス種の食パンは、岩手県産のホップスの花から作る種を配合しているのですが、たぶん日本一安いホップス種の食パン(1斤250円)だと思っています。
 日本の人口で一番多いのは60歳代以上で、経済的にも豊かだと考えられます。アンベルソワーズ(フランスパン)は、その人達が食べやすくように、皮が薄く、中がしっとりとした日本の食生活を意図して設計したものです。基本的には、日本人が食べやすいサイズや価格を意識しています。
 今回は、フランスパンをフランスと同程度(1〜1.5ユーロ=150〜210円)の価格にすることを実行しました。パンは日常品なので買いやすい価格帯は重要なポイントです。その代わり、セールやディスカウント、クーポンは一切しません。『上質なパンを求めやすい価格で』が絶対的なテーマだと思っています。ブランド作りには、セールやディスカウントがあってはいけません。また、食パンを1斤88円や100円で安売りするというものでもありません」

【ブーランジュリーKヨコヤマ】 〒333-0857埼玉県川口市小谷場455-1 TEL048-263-0222、FAX048-262-0701

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