 いちじく&シナモン680円
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2010年5月7日、東京・高円寺で開店した「マダム シュープリーズ」のメイン商品は約2kgの「パン・ド・カンパーニュ」。ハード系を中心にした独自の商品構成で、人気が広がり始めている。
店長の平澤誠一氏は、料理人出身。26年間、半蔵門の欧風料理店「シェリフカノン」のオーナーシェフを勤めた。平澤氏とカンパーニュの出会いは1997年。パリ「ポワラーヌ」だった。「その味と、存在感に大きく惹かれました」
帰国後、レストランの仕事と平行してカンパーニュ作りをはじめるが、手間隙がかかり両立は難しく、挑戦は一旦休眠。その後2006年にパン作りが好きなアルバイト店員と再チャレンジを図り、思い描いた味の自家製ぶどう酵母が完成した。以来その酵母を種継ぎし、今でもすべてのパンに同じ酵母を使用している。
レストランでもカンパーニュを提供するようになったが、レストランにパン専用の機材はなく「オーブンには耐火煉瓦を敷きました。また缶詰に穴を開けて、注いだ水がオーブン内で少しずつ出るようにし、焼成時のスチーム代わりにしていました」と工夫を凝らしていた。
その後、パンだけに特化する店を始めるため「酵母と一緒に暮らす方が管理しやすいし、深夜から作業をするには、自宅と店舗が近い方が良いので」と、自宅を改装し店舗にした。
機材は最小限。ドゥコンなど発酵機材がないため、部屋を断熱資材で覆い室温で発酵させている。「ポワラーヌも以前は室温で発酵させていたと聞きました。もう少し続けて発酵機材が必要かを見極めたいと思っています」
店舗には、サンルームのカフェスペースが併設されている。「カンパーニュをどう食べれば良いか、食べ方を知ってもらうために設けました。そして、ゆっくりと食事をしてもらうためにドリンク類やサンドウィッチなどを提供しています」骨付きの鴨肉を煮込み、身をそいでパンに合わせるなど、レストランシェフだった平澤氏ならではの手をかけた料理がタルティーヌ(オープンサンド)で味わえる。
「ハーブティをお出しするため、庭にハーブを植えました」と、平澤氏。早ければ半年後にメニューに並ぶ予定だ。
粉は安全性を重視し、岩手産の南部小麦を使用。岩手県は3月に震災にあったエリアだが「連絡が取れ、問題なく農作できているようです」と胸をなでおろした。他に使用する材料もなるべく安全性の高いものを使用するようにしている。
看板商品のカンパーニュのクラストは硬いが、目が詰まったクラムは弾力があり酸味がさわやか。パンのラインナップはハード系が中心。やわらかなパンを求める声も開店当初はあったが、今ではカンパーニュの店として、認知が広がっているそうだ。
平均7〜8種類の商品が店頭に並び、仕込み生地はそれぞれ異なる。珍しいところではアメリケーヌソースを練りこんだ「サフラン・チーズ」など、欧風料理店シェフだった平澤氏だからこそできるメニューもある。
カンパーニュをくり抜きサンドイッチにする「パン・シュープリーズ」(3,300円〜・予約制)など、パーティの需要にも対応している。
「このまま自分の作りたいパンを、できる範囲でやっていきたい」と平澤氏。新しいが口コミで広がり、多くの客が足を運ぶ同店。今後もその評判と期待に応える店作りに取り組んでいくようだ。
【パン工房 & Cafe Madame Surprise(マダム シュープリーズ)】
▽住所=東京都杉並区梅里2-11-2
▽電話=03-3312-5463
▽定休日=日曜日・祝祭日
▽営業時間=11時〜18時
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