Amandine Cafe
       アマンディーヌ・カフェ〈ロサンゼルス〉
ブランディングの一環としてカフェを
日本人経営であることを敢えて表に出さずに勝負

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豊島竜太氏

カフェスペース

店内
 

店舗外観

ケーキのディスプレイ

 ウェストロサンゼルスの目抜き通り、ウィルシャー・ブルーバードに、蔦に覆われたアマンディーヌ・カフェがある。

 アマンディーヌ・カフェは、日本でカフェやイタリアンレストランの経営、ウェディング事業などを手がけるMナコラの経営で、オーナーの豊島竜太氏が初めて手がけたビジネスだ。
 「リッツカールトン級の一流ホテルで食べられているパンやケーキを日常に食べられるカフェを作りたいというのが、動機だったんです。店をオープンする前に、フランスやニューヨークの有名店を食べ歩いたりしたんですよ。その結果、この地で開業するならば、工場や大規模な機材が必要になる大きいブレッドではなく、クロワッサンとペイストリー系のパンに力を入れようと考えを切り替えました。大きいパンより小さなパンの方が付加価値がありますし、スイーツも販売しているので、このような店のイメージに決定しました」
 開店前に、本社のペイストリーシェフと、商品を考えていた際、コストが高く商売的には成り立たないが、クロワッサンを作る時に発酵バターを使うと、風味が出て、甘みが出ることがわかった。少し高めだが使える範囲の価格で、アメリカ産業務用発酵バターが見つかり、小麦粉も厳選したカナダ産を使い、ケーキのようなふんわりクロワッサンが出来上がった。
 「一番商品を何個作れるかで勝負が決まってしまうと思うんです。クロワッサンは当店の一番商品ですが、おいしいクロワッサンを食べたいという思いで、一個のために足を運んでくださるお客様が、デニッシュもケーキも…と購入していただいています」
 ペイストリー系では、デニッシュの上にカスタードクリームとバナナとチョコレートチップを載せたバナナチョコレートが人気だ。
 もう一つの人気商品、アーモンドクロワッサンは「ロス対策で作ったんです。パンを破棄しないために、アーモンドクリームを載せて二度焼きするんです。そうした再生パンに人気が出ました」
 ケーキとタルトでは、アメリカ人にはデリスチョコレートというフラワーレスのチョコレートケーキ、日本人にはいちごショートケーキが受けているそうだ。タルト・チョコレートもチョコクリームとチョコレートガナッシュの下に、かりかりしたプランテインが敷いてあるのが、意外な食感で工夫を感じる。
 「ランチで一番出ているサンドイッチは、ターキー(七面鳥)アボカドサンドイッチです。ヘルシーでライトなので、周辺のビジネスマンたちにも受けています。パンドミーを10時頃に焼いて、焼きたてのパンでサンドイッチを作っています」
 アメリカらしいビッグサイズだが、厚めに切られたふわふわのパンドミーとたっぷりのターキー、野菜がマッチしている。昼頃になると約56坪のカフェは満席だ。
 店で働く日本人は、豊島氏と、日本から招いたベーカーとペイストリーシェフの3人だ。しかし、本人が経営者だと表立って宣伝はしていないという。
 「ヨーロピアンスタイルのベーカリーカフェなので、日本人が経営しているということをあえて出す必要はないと考えています。別に隠している訳ではなくて、お客様は皆、知っているんですが、オーナーが日本人でもフランス人でも、お客様には特に関係がないと思いますので」
 そういうスタンスは店の場所選びにも表れている。ベーカリーのあるウィルーシャーストリートの山手は、ブレントウッド地区とサンセット地区と呼ばれる高級住宅地で、スーパーがない。その住民が買い物をしにスーパーに来るついでに、近くのこのベーカリーに寄ってくれるのを狙った。ナオミ・キャンベルや、アレックス・ボールドウィンなどのセレブリティもよく来るそうだ。サンタモニカにも近く、南には日系タウン、ソーテルもある。
 「今は8〜9割が白人のお客様で、日系の人は2割ほどですが、その2割が安定して支えてくれるので、ちょうど良いバランスだと思います」
 客数は、平日は300〜500人、週末は千人以上だ。客単価は約10ドル。朝はペイストリーとコーヒーで5〜10ドル、ランチタイムには、10〜13ドルくらい。
 「2002年8月にパンとケーキの店としてオープンしてから半年ほど赤字が続いて、なんとかしなければとサンドイッチとブレックファーストを始め、1度だけフリーペーパー2誌と雑誌1誌に広告を打ちました。その翌週から売り上げが上がっていきました。それからは口コミでお客さんが入ってくるようになり、その数カ月後には黒字になりました。ベーカリーとケーキが両方ある形態は一長一短で、集客力はあるんですが、それだけの人件費などのコストがかかってしまうので、バランスを取るのに結構時間がかかりました」
 こうした苦難を乗り越え、今年10月頃には、スイーツ&ワインという新しいコンセプトで2号店をオープンする。ウェストハリウッドで一番大きなカフェ(約93坪)になる予定だ。
 「ロサンゼルスではワインとスイーツを合わせるということはないのですが、2号店では、カカオマス70%以上のダークビターチョコレートに、濃い目のカリフォルニア産のキャベルネを合わせたり、リコッタチーズスフレやチーズ盛りにシャルドネを合わせたりして提供しようと考えています。ウェストハリウッドでは、夜10時頃には店が全部閉まってしまうので、深夜まで営業している、ワインのペアリングや、おいしいコーヒーがあって、いい音楽が聴ける店があったらいいのではないか、そして、その店を日本人がやっていたら、アメリカ人は驚くのではないかと思います」
 レストラン事業の次は、リビングの事業に入ろうとしている。
 「食から生活雑貨の方に広めていくために、ブランドを構築していきたいと考えてます。ハイレベルな洗練した店を2、3店舗ロサンジェルスに持つことで、良いブランディングができ、日本の本社にも良い影響を及ぼせると思います」
(取材・文・写真)田原知代子
【アマンディーヌ・カフェ】
住所:12225 Wilshire Blvd Los Angeles, CA
電話:310-979-3211

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デニッシュ類

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