ベーカリーカフェ 石窯パン工房マルコポーロ〈沖縄県沖縄市〉
楽しい非日常的な食事を提供
種や石窯焼成、石臼挽き商品が功奏

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石窯の前でスタッフの皆さん。中央上が吉田店長

店舗外観

店舗内の様子
 

パフパフロール

パンドミー

 Mぐしけん(稲嶺利政社長)が展開するベーカリーカフェ 石窯パン工房マルコポーロは、2003年11月にオープン。カフェ併設の本格ベーカリーとして周辺だけでなく沖縄本島全域に知名度が拡大している。

 店長の吉田晋氏は千葉県出身の39歳。琉球大学を卒業後同社に入社、カリフォルニアレーズンベーカリー新製品コンテストで金賞を受賞するなど将来を嘱望されているシェフの一人だ。
 店のコンセプトを吉田氏は次のように語った。
 「『楽しい非日常的な食事を求めている沖縄本島全域のお客様をターゲットに』をコンセプトにしています。パンの種類が豊富で、洋菓子からサンドイッチまでお客様の目を楽しませ、ワクワクさせる商品を販売し、カフェでパンに合う食事を提案することです。
 パンの製造でこだわっているのが種です。小麦粉本来のおいしさや甘さが感じられるようにレーズン種、サワー種、ホップ種などを使い分けています。そして石窯です。商品の1/3は、石窯で焼成しており、表面はカリッと中身はモチモチしたパンが仕上がります」
 売れ筋商品1位は「パフパフロール」。石窯で焼いたモチモチしたパンで、サンドイッチでも、そのまま食べてもおいしい万能なパン。発売以来、常にNo.1を持続している。2位は、マルコポーロ食パン。3位はバゲット。フランスパン生地を使った商品群はパン売上構成比で約10%を占めている。本格的なハード系を販売しているベーカリーが周辺にほとんどなく、沖縄全体でもリテイルベーカリーは内地に比べると少ないので、「楽しい非日常的な食事を求めている沖縄本島全域のお客様がターゲット」というコンセプトは、的を射ている。また、客の支持を得て頭角を現してきたのが、群馬県産小麦「群馬の麦」を自社の電動石臼で挽いて作った「パンドミー」。石臼挽きや全粒粉が客を惹きつけるキーワードになっているようだ。
 カフェメニューでは、マフィンやサンドイッチ、パンのおかわりができる「モーニングセット」が一番売れている。パスタや週替わりのランチも人気がある。
 沖縄のパンの特徴は、「クロワッサンなどの折り込み生地のパンは、少し黒くてサクサクしている方がおいしそうだと感じますが、沖縄では、色が薄く、長めにしっかり焼いたものがよく売れます」と吉田氏。スイーツ系では、メロンパンやシナモンロールが売れるという。
 「ドイツパンでの商売は厳しいので、注文制にしました。そのおかげで固定客がつくようになりました。よく売れているのは食事系のパンで、食事パンを如何に売るかを課題にしている内地とは、事情が異なりますが、種や石窯焼成、石臼挽きが上手くいっているのだと自負しています」
 素材では、沖縄県産のマンゴーやパイナップルは味が濃く、おいしいのでよく使うという。現在は、田芋や紅芋をよく使っている。
 米軍基地が隣接している関係で、外国人の来店率が高く15%程度が外国人。観光客の来店や電話での問い合わせもあるとう。「基地の中やスーパーマーケットには、ハースブレッドがあまりないためで、遠くても買いに来てくださる方もいます。基地でパーティが催された時にハード系を提供したこともあります」
 社員教育は、製販一体が基本で、販売員希望者は製造から、製造希望者は販売から教育を始める。社内の教育カリキュラムに則り、本社工場の生産ラインに加わったり、営業を経験することもあるという。
 店長は毎日、朝礼を行う。
 「『これから仕事を始めるぞ!』というモチベーションを高めることと前日の売上や目標の確認を行います。会社には年間目標があり、それをブレイクダウンして月別日別の目標にします。目標を達成することが難しい状況なので、商品の改廃を頻繁に行うようにしています。また、販売スタッフのミーティングは毎日昼間に実施しています」
 パンの新商品開発はリテイル本部の部長が行い、洋菓子とカフェメニューは同店のチーフが行っている。
 厨房内は清掃が徹底されており、売場と同じフローリングの床には粉が一切落ちていない。設備機器の底面は、モップが入る程度のかさ上げが施され、常に清潔さが保たれている。作業台も作業が完了すると同時に清掃され、粉が周辺に付着しているところがない。
 吉田氏は、他店舗に対する差別化戦略と今後の展望を次のように述べた。
 「ぐしけんパンが長年築いてきたノウハウや種の使い方、この店舗の設備はどこにも負けていません。マルコポーロでしかできないパンが多くあり、お客様に選んでいただける楽しさを提供できる種類の多さが差別化だと考えます。そして、今後も他店には真似ができないことだと思います。追われる立場であることを深く理解し、2号店を出店することを考えています。更に、2号店を弾みにチェーン展開が実現できるように頑張ります」

【石窯パン工房マルコポーロ】
▽所在地=沖縄市高原5-15-5、電話098-921-1820▽営業時間=8〜21時▽定休日=なし▽敷地面積=店舗:約100坪、厨房:約60坪▽駐車場=10台▽従業員数=正社員:11人、パート・アルバイト:11人▽売上構成比=パン70%、洋菓子10%、レストラン20%▽主な設備=スペイン製石窯1基、ミキサー3台、オーブン2台、ドウコン2台、ホイロ2台


【Mぐしけん概要】(同社HPより)
▽創業=昭和26年 (1951年)
▽所在地=本社:〒904-2234沖縄県うるま市字州崎12ー90、電話098-921-2229/名護営業所:〒905-0022沖縄県名護市世冨慶443、電話0980-53-0012▽ベーカリー=パンドゥメゾン、ベイクマン、シャトレ、フォンテーヌ、パン・ドゥ・マルシェ(13店舗)▽ベーカリーカフェ=石窯パン工房マルコポーロ(1店舗)▽主な製造品目=食パン、菓子パン、洋菓子、和菓子、サンドイッチ、惣菜▽資本金=3585万円▽従業員数=478人(平成22年10月時点) ▽主な販売先=Mサンエー、金秀商事M、琉球ジャスコM、M沖縄ファミリーマート、Mローソン、Mココストア等▽関連会社=Mジーデリカ、サニー食品M

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カフェの様子

美しく清掃された厨房内