 プリプリ海老カツ
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Mマツヤベーカリー(山本忠則社長)は、第二次世界大戦終戦後に創業し、約70年の歴史を刻んでいる。早朝からオープンしているベーカリーとして地元での人気は高く、隣の石川県から高速道路を使って訪れるファンもいる。特に惣菜パンの人気度が突出しており、地域にはなくてはならないベーカリーとして定着している。
マツヤは、創業者が山本家の屋号から名付けたもので、現社長が法人化を果たした。
店舗の運営を任されている取締役の山本真史氏は、友恵夫人とともに人気のパン商品を守り続けており、次期3代目社長として会社を継承する予定。
「将来も家族経営を基本にして、より地域の人たちに愛され続けたいと思う。創業者の祖父や現在代表の父から引き継いだ顧客や地域に根ざした商売のしかたなどを絶やしてはいけない」と真史氏。
真史氏は、1976年生まれ45歳。東京の専門学校を卒業後、ベーカリーで修行して鯖江市にUターンした。日常業務を行いながら、徐々に経営の勉強をしているという。
売れ筋商品は調理パン。「カスクートに使っているバゲットは、少し小さめにしているので女性でも残さずに食べられる。今は、フルーツサンドに人気が集まっている。家族5人が好みの調理パンを作って商品にしているので、商品数がどんどん増えていき、常時100種類のパンを販売している」
客層は、年配者が非常に多いが、最近では、インスタグラムを始めたことで、それを見て来店する若い女性客が『映え』を求めて増えているという。
「こだわりは、飽きさせないこと。自分が美味しいと感じる商品を作ること。オールスクラッチを基本にしているが、長時間発酵も併用している。
以前から悩んでいることは、若い従業員が、おしゃれにパンを作っている部分しか見ておらず、早朝からの準備や粉袋の運搬、掃除などは仕事だと思っていない傾向があること。それら全てがベーカリーの仕事で、パン作りだけが決してベーカリーの仕事ではない。そのことを伝えようとしているが、どうも上手く伝わらない」と真史氏。
同社は、パン・菓子製造・販売のほかに、学校給食用パンを製造しており、鯖江市内や敦賀市の小・中学校に納入している。
「福井県は、全国の連合会組織に加盟していないので、他県の学校給食の状況や提供業者の実態に対する情報が入って来ないため、心細く思っている」と友恵夫人。
ー児童・生徒の数が減少傾向にあるため、学校給食パンの提供回数を増やすことは難しいが、多くの学校給食提供業者が知恵を出し合い、工夫を重ねて、少しでも改善に向けた取り組みを積極的に行う以外に手段がないと思う。福井県に限らず、他の都道府県も事情はほぼ同じで、実現可能な事柄を一つずつ解決していかなければ、将来像が描けなくなるので、ぜひ、全国の場に参加できるようにしてほしいと記者として伝えた。
今後手掛けたい商品と将来展望を次のように述べた。
家族経営を基盤に地域の人に愛されるベーカリーとして長く継続すること。地域一番店になることよりも、学校給食パンを含めて、一人でも多くの福井県民に美味しいパンを食べてもらい、パン食文化がさらに発展することを願っている。
同店に対するWebの評価や書き込みは次のとおり。
◇バタートップが一番気に入っている。コーヒーに絶対合う。
◇美味しく、どれも大満足のパン。惣菜パンや菓子パンがとても美味しい。
◇地域の人気店という感じが伝わってくる。
◇金沢から高速を使って行き、大量購入し冷凍庫で保存している。
◇惣菜パンの種類が豊富で、どれもおいしい。
◇越山若水を筆頭に、越前の緑豊かな山々、清らかな水の流れ、自然が美しい福井県にあるマツヤベーカリーは、オーブンで焼いたパンの匂いが香る。
◇懐かしの焼きそばパンと長いウィンナーが合体したパンは大満足。
◇食パン・フランスパン・菓子パン・総菜パン・サンドイッチなど、食べたいパンが何でも揃っている。
◇いつ足を運んでもたくさんの買い物客で賑わっている。
◇新商品を次々に販売するという訳ではないが、地元の人に長く愛され続ける定番パンを大切にしている。
【Mマツヤベーカリー】
〒916-0019福井県鯖江市丸山町1丁目305番、電話0778-51-1622、FAX0778-51-4106
▽業種=パン・菓子製造業・卸・販売、学校給食パン製造
▽営業時間=月〜土7時30分〜20時
▽定休日=日曜日・祝日(祝日土曜の場合は営業)
▽駐車場=10台
▽アクセス=福井鉄道鳥羽中駅から徒歩約12分または同神明駅から徒歩約13分
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