木もれ陽のテラス&Creation〈秋田市〉
営業的な感性を活かし
変化する顧客ニーズに対応する

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木もれ陽のテラス外観

Creation外観
 

木もれ陽のテラスカフェ内の様子

Creation店内の様子
 

丸杓子外観

パン陳列棚

クラブハウスサンド
 

秋田県産牛カルビ焼のカフェどんぶり

プレミアムバナナボートのショーケース

おのばあんぱん

 Mたけや製パン(武藤真人社長)が運営する「木もれ陽のテラス&Creation」は、秋田市南部の住宅地に立地し、3店舗を併設した同社施設(T-comfort)内にある。隣には、マルダイ御野場(おのば)店(秋田市内に本社を置くMマルダイが運営するスーパーマーケット)があり、開業は2004年2月。約20年間、地元に愛されるカフェ&ベーカリーとして揺るぎない繁盛店の地位を確立している。

 T-comfortには、木もれ陽のテラス&Creationのほか、同社関連会社の秋田米飯給食事業協同組合が運営する豊富な惣菜や弁当類を取り扱う「丸杓子(まるじゃくし)」があり、建屋の総面積は約200坪になる。同施設の商圏は約10kmと広く、来店客はほぼ車利用。T-comfortとは、たけや製パンの「T」と快適を意味する「comfort」を合わせて、居心地の良い建物にしようとする想いが込められている。客層は、30歳代から高齢者の女性が大半を占めている。また、同施設の責任者3人は、いずれも営業系でベーカリー店舗としては比較的珍しい人材投入だと感じた。

【木もれ陽のテラス】
 「体がよろこぶ体想いのカフェレストラン」をコンセプトに食事を提供している。朝メニュー・昼メニューといった括りをなくし、顧客がその日の気分や体調、腹の空き具合と相談しながら、オープン時間から全てのメニューがオーダーできる。時間による違いのない「選ぶ」心地よさが楽しめる。
 人気メニューは三つ巴で、少量だがたくさんの料理が楽しめる「大人様プレート」。毎日15食限定で正午前に完売することも少なくない。また「秋田県産牛カルビ焼のカフェどんぶり」は、ベーカリーカフェながら「丼」を食べるために来店するという人も多いという。さらに、誰からも愛される「自家製ソースのふわとろデミオムライス」が加わり、月間単位で人気上位が入れ替わる。それらの上に立つメニューが「クラブハウスサンド」で、オープン時から不動かつダントツの超人気。カリッとしたトーストにベーコン・レタス・トマトがハーモニーを奏で、特製ソースが味を決めている。いずれも香の物と味噌汁が付いてくる。テイクアウトメニューもある。
【Creation(クレアシオン)】
 クレアシオンとは、創造のフランス語。店名のとおり食生活のシーンを創造しながらパン製品を提供する精神は、開店当初から一貫しているという。
 売れ筋商品ランキング1位は、歯切れの良い菓子パン生地の小倉あんパンにたっぷりのホイップクリームを絞って仕上げ「おのば(地域名)」の焼印を押した「おのばあんぱん」。2位はサクサクデニッシュにカスタード・さつまいもダイスを巻き込みツイストして焼き上げた「おさつデニッシュ」。次は粗挽きソーセージの両側にたっぷりの辛子マヨとケチャップを絞ったシンプルな「あらびきマヨロール」。商品のテーマは、家族を中心に幅広い客層のため、どの年齢層でも食べやすく、手軽でボリュームのあるパン作りに心掛けている。新しい発想や奇をてらった商品よりも、当たり前の商品を磨き、リーズナブルに提供したいという。そして、入口正面にある洋菓子のショーケースでは、同店でしか買えない「プレミアムバナナボート」を販売している。同商品は、食糧難だった1950年代に「秋田の人々に甘くておいしいおやつをお腹いっぱい味わってもらいたい」という想いから特別な菓子として始まった。厳選されたクリームは脂肪分と甘さは控えめだが、たっぷりと使われている。バナナは、ジャパンフードセレクション金賞連続受賞バナナの王様「甘熟王」を使用。チョコバナナや苺クリームバナナなどバリエーションは20種類にのぼる。
【丸杓子】
 手作りの惣菜を販売。弁当や夕飯の副菜、酒の肴など、毎日の食事に「あと一品」という時に利用できる。好きな惣菜を好きなだけ詰め合わせた弁当も販売している。コロナ禍で量り売りができなくなっているが、杓子を使って惣菜をとるという様が店名の由来になっている。

 Mたけや製パン取締役営業本部長で直営店担当同施設責任者の渡辺研勇氏は、会社の将来展望を次のように述べた。
 「商品製造企業の基本となる安心・安全をどこまでも追求し続けなれけばいけない。そのためには、Mたけや製パンが地元に根ざした会社であるため、顧客に喜んでもらえる製品作りを目指し、美味しく、価格を抑え、品質第一の製品を提供したい。コロナにより消費動向に変化が表れているため、常に変化する状況の中で顧客ニーズに対応できる品揃えをしなければならないと思う。今後も一店舗集中型の運営で多店舗展開は考えていない。地産地消を推し進め、秋田県産の農産物等でパンやカフェメニューを提供したい」
 続いて、同社直営課班長でクレアシオン責任者の杉浦仁美氏は「認知度を高め、一度行ってみたいと思われるようになり、新規顧客が増えるような試みを行いたい。商品では、顧客の好みが激しく変化するため、先読みする感性を養い顧客ニーズをリードする商品作りを心掛ける」。同木もれ陽のテラス責任者の木村峰子氏は「コンセプトを守り、心地良い空間を提供し続けたい。滞在時間が長くなるようなカフェであり、もっと美味しい食事を味わってもらいたい」と今後の抱負を述べた。

【木もれ陽のテラス&Creation】
〒010-1421秋田市仁井田本町5丁目11-2
◇木もれ陽のテラス/TEL018-826-0422
▽営業時間=8時〜16時30分(L.O.16時)
▽その他=全席禁煙
▽テイクアウトメニュー=受付時間:8〜14時/提供時間:9〜16時(電話注文)
▽従業員数=厨房3人、ホール4人
◇Creation/TEL018-826-0421
▽営業時間=9時〜16時30分
▽取扱品目=パン・スイーツ・和菓子
▽設備=パンのスクラッチ製造が可能な機器一式
▽従業員数=パン3人、洋菓子1人、サンドイッチ2人
◇手づくり惣菜店「丸杓子(まるじゃくし)」/TEL018-826-0423
▽営業時間=10時30分〜18時
▽従業員数=厨房7〜8人、販売2人(但し昼食弁当販売完了時点で終了)
◇共通
▽駐車場=有
▽アクセス=奥羽本線四ツ小屋駅から約2km

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おさつデニッシュ

あらびきマヨロール

おやつドックコーナー